IR文書は、各企業のホームページを確認すれば、「投資家情報」「IR情報」等のコーナーが必ず設けられている。売上高や利益、資産状況などの財務情報が細かく確認できるほか、各事業の概況や今後の見通しを図表や文章で解説している。学生向けの会社説明会では、楽観的に語られていた新規事業の成長性が、投資家向けの資料では「競合企業が多く、事業の黒字化には少なくとも3年は要する」などと記述されていることがある。一般的に投資家向けの資料の方が、業績展望を厳しく予測していることが多い。楽観的な情報を垂れ流し、後から訂正(下方修正)ばかりを繰り返していれば、投資家や株式市場から見放されてしまうからだ。
IR情報の確認は、各社のホームページのほか、金融庁が投資家向けに情報開示している有価証券報告書閲覧サイト「EDINET」を利用するのもいいだろう。全上場企業の情報を一元的に確認することができる。会社別の就活研究本の中には、この有価証券報告書をそのまま収録して書籍化したものがあるが、EDINETだと無料で見ることができる。そもそも上場企業のほとんどが、ホームページに有価証券報告書をアップしている。
転職関連サイトの”クチコミ”に注目
また、もっと手軽に上場企業の情報を確認するのであれば、東洋経済新報社が季刊で発行している『会社四季報』も忘れてはならない。各社の情報がコンパクトにまとめられているだけでなく、同社記者による寸評も記載されていて非常に参考になる。
もうひとつ、注目してほしい情報がある。それは、転職者の会社選びのために開設されている、社員によるクチコミサイトだ。新卒者向けには、楽天が運営する、「みんなの就職活動日記」というクチコミサイトがある。こちらは主に、選考の内容や進捗状況を情報交換したり、先輩の就職活動情報を参考にしたりするサイトである。
一方、転職者向けのクチコミサイトは、各企業の社員や元社員による会社の評価、残業・有給休暇取得率の実態など、就職ナビでは知ることのできない企業の裏側を垣間見ることができる。今回は代表的な2つのサイトを紹介しよう。それぞれに特徴があるので参考にしてほしい。
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