全室に“マイ執事”!最高峰ホテルの接客 ホテル通もノーマーク?セントレジスのもてなし

✎ 1〜 ✎ 6 ✎ 7 ✎ 8 ✎ 最新
拡大
縮小

しかも、私にとってブランドは関係ありません。たとえトップブランドのホテルでも、立地が悪く、見栄えが悪ければ、お客様から興味を持たれません。すばらしいブランドでありながら「バッド・ホテル」になってしまう。個人的な意見ですが、ハード(建物)とソフト(サービス)の両方が優れていることが大切です。

その意味で、このセントレジスホテル大阪に赴任したとき、これはすばらしいホテルだと感じました。このホテルを運営することに喜びを感じます。これはブランドそのものとはまったく関係がないのです。

このエリアのほかのホテルも見て回りましたが、このセントレジスはインテリアデザインに意匠が凝らされれたすばらしいホテルだと、来てすぐに感じました。

全客室につくバトラーサービスって何?

セントレジスを代表する特色のひとつが、バトラーサービスだ。1人の客のチェックインからチェックアウトまで、召使いのように専任のバトラーがサービスを担当する。24時間態勢で顧客のリクエストに応え、頼めば荷作りや荷ほどき、靴磨きなどもしてくれる。滞在中の洗濯物の受け渡しなどは、ドアを開けなくても専用扉(写真右下)で処理してくれるので、不在でもOKだし、在室時のプライバシーも確保される。まさに至れり尽くせりだ。

――現状、日本の一般のお客さんから見て、セントレジスはラグジュアリーホテルの最高峰のひとつ、というくらいの理解がせいぜいで、具体的な個性まではよくわかっていないと思います。どう違うか、教えていただけませんか。

特徴のひとつとして、「バトラーサービス」があります。セントレジスではすべての部屋にバトラーサービスがつきます。スイートであったり、高層階であったりは関係ありません。一つひとつの部屋すべてにです。

クリーニングされたスーツが、いつの間にか室内、玄関横に下げてある

まず初めてのお客さまであれば、質問をしないで理解するようにしています。何が好きなのか。ベッドの右側で眠るのが好きなのか、左側なのか。早朝型の人なのか、夜遅い人なのか。コーヒーを飲むのか、紅茶を飲むのか。部屋ではスリッパか、裸足か。

――それって、こっそりカメラで撮っているわけではもちろんありませんよね?

ええ、それでも、お客様のニーズをできるかぎりとらえる。そのうえで、すべてをリスト化します。次にいらっしゃったときは、お客様好みの部屋にセットアップしてお迎えします。

これは簡単なことではありません。なぜなら、1回目には1人でみえた方が、次はご夫婦連れでいらっしゃるかもしれない。あるいは職場のボスといらっしゃるかもしれない。そのシチュエーションごとに、お客様のニーズは異なってくるでしょう。われわれはそこまで理解していなければならない。とても興味深いことですが、非常に難しい。でもそれがバトラーのサービスのすべてなのです。

次ページバトラーは、ここまでやる
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT