「教えない」が難関大合格者を続出させる秘訣

開智学園の強さの源泉とは?

「フィールドワーク」で自発性や思考法、対話力を高める。

「教えない」ことで伸ばす――。開智の教育スタイルを最も具現化したのが「探求テーマ・フィールドワーク」だ。これは国数英などの教科学習とは別に、入学直後から5年生(高校2年。中高一貫のため1~6年生となる)までの間、実施する独自のカリキュラムである。

先端クラスでは昨年から、1年次の前半に「哲学対話」という授業を実施。ひとつの絵本を題材に、班ごとにテーマを決め、それについて互いにロジカルに議論する、という授業に時間を割く。「教える」のではなく「自ら学ぶ」ためのイニシエーションだ

「人にはなぜ癖があるのか」「大人と子供の境界線とは」――こうした生徒一人ひとりが自ら抱いた興味・関心を探求テーマとして設定。教科学習の合間を縫って、磯や森、関西などで実施されるフィールドワークを通して、「仮説→検証→考察→発表」というプロセスを体験させる。「あれを調べろ、こう考えろと指示するのではなく、自ら問題を発見して、調べて、検証して、解を導こうとする。創造的な自己発見型の思考が身に付くわけです」(溜校長)。

近年、東大の入試は、総合力が問われる論証問題を大幅に増やし、真に総合的な学力を問う色合いを濃くしている。開智のフィールドワークによって培われる論証力やプレゼン力は、結果として東大受験にもフィットした本質的な学力を身に付けるものになっているといえるだろう。

もちろん、フィールドワークは教科学習にも相乗効果を及ぼす。自らの疑問から始まった研究のプレゼンの際に、数式や化学式を使わざるをえなくなる。また5年次(高校2年に相当)には提携する英国ブルネル大学で、現地の大学生相手に英語で研究テーマのプレゼンをするカリキュラムがあるからだ。

もっとも、教科学習に関しては、さらに「教えない」教育を明快に実践し始めている。

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