就活生は「就職ナビ」を過信してはいけない 3月1日0時を境に膨大な採用情報にのまれる

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・採用のための面接もスタート
経団連の指針では、「面接選考解禁 6月1日」となっているものの、6月1日から面接を開始する企業のほうが少ないのが実情だ。HR総研の調べでは、中堅企業の半数、大企業でも4分の1の企業が、2017年卒者採用に向けた面接を2016年の3月末までに開始している。2017年はさらに多くの企業が3月に面接を開始するものと推測される。

2月28日と3月1日では、たった1日でこれだけ違うのである。そして企業の選考は今年よりさらに早まってくることになるだろう。何の準備もせず、うかうかと3月1日を迎えると、えらい目に遭うと思ったほうがいい。

午前0時に一斉にナビがオープン!

時計の針が夜中12時を指し、日付が3月1日に変わると同時に、起こることがある。各社の就職ナビが一斉にオープンするのだ。直前まで「メインテナンス画面」が表示され、その裏側では、掲載記事の入れ替え作業が急ピッチで進められている。それまでのインターンシップ情報と企業情報の一部しか掲載されていなかったサイトは、日付が変わった瞬間、2018年卒者向けの採用情報が満載のサイトに一新されるのである。

メインテナンス画面がはずされ、新しいトップページが現れる。就職ナビを運営する会社の関係者は、前年の6月1日にインターンシップ情報サイトとしてオープンすることを「プレオープン」、その翌年の3月1日に採用情報を公開しプレエントリーの受け付けも開始することを「グランドオープン」と呼ぶことが多い。

そういう意味では、2月末までの就職ナビは“仮の姿”であり、3月1日からが“真(本来)の姿”と言ってもいいだろう。

毎年の風物詩のような事態は、このグランドオープン直後から始まる。情報掲載企業数が多い大手の就職ナビには、全国の学生からアクセスが殺到し、数秒後にはもうサイトアクセスに支障を来すようになる。企業検索時や、ページの移動の際、表示速度が極端に遅くなるだけでなく、根本的につながらなくなる事例が続出することになる。

それがかえって学生の不安心理を駆り立て、何度もリロードを繰り返す学生によってさらにサーバーの負荷が高まり、ますますつながりにくくなるという悪循環に陥っていく。ただし、これらの状況は時間の経過とともに改善され、数時間もすれば快適にアクセスできる状況になる。近年ではその状況の一部始終を実況してくれるSNSまで登場している。

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