米国人が「人格」で大統領を選ばなかった理由 トランプの何が人々の心をつかんだのか

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対照的にトランプ氏は「変化」を掲げた候補とされ、現状を覆したいと望んだ有権者に支持された。

共和党が過半数を握る上下両院と、トランプ氏を迎えるホワイトハウスとの関係の先行きは不透明だ。トランプ氏は選挙期間中にポール・ライアン下院議長と激しくやりあった経緯があるほか、ミッチ・マコーネル上院院内総務と対立する可能性もある。

共和党議員に歩み寄りか

だが、オバマ氏が進めてきた医療制度改革の撤回やイラン核合意の取り消し、北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉など、トランプ氏が就任後100日間でやると公約してきたことの大半を実現するには、議会の承認が必要だ。このため同氏は、ライアン氏らへの報復を手控えるかもしれない。

トランプ氏にとって、組閣も簡単ではなさそうだ。共和党の重鎮たちの多くが、同氏とともに働く気はないとの姿勢をすでに示している。外交や安全保障の面では、特に困難が予想される。中国やメキシコ、北大西洋条約機構(NATO)加盟国やイランに対してトランプ氏が挑戦的な姿勢を示したことで、専門家の多くが同氏に対してそっぽを向いているためだ。

民主党議員団も二重の逆風にさらされている。大統領を共和党に奪われたのに加え、上院でも過半数を取れなかったからだ。2008年の経済危機を受けて強化された銀行規制の緩和をトランプ氏が主張していることに対し、民主党上院議員団の中軸である左派のサンダース氏とエリザベス・ウォーレン氏が猛反発するのは、確実とみられる。

ピーター・エニス 東洋経済 特約記者(在ニューヨーク)

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Peter Ennis

1987年から東洋経済の特約記者として、おもに日米関係、安全保障に関する記事を執筆。現在、ニューズレター「Dispatch Japan」を発行している

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