東芝の株主総会、新経営体制が始動 再生エネ強化も、原発ビジネスは外せず
東芝は6月25日、東京・両国の国技館で第174期定時株主総会を開催した。今年、会場に足を運んだ株主数は過去最高の5740人(前年は4665人)。来場した株主には自家発電できるラジオと、恒例の焼き鳥弁当が配られた。
2期連続減益、デジタルプロダクツ事業不振続く
議長を務めた佐々木則夫社長(同日付で副会長に就任)は、「円高などの六重苦の中でも、安定的な収益が見込まれる企業向け販売への構造転換や、携帯電話事業と液晶事業の売却による構造改革で、安定した収益体質に転換できた」と前期を振り返った。ひとしきり事業についての説明があった後、質疑応答に移った。
質疑応答はまず事前に寄せられた質問を会社側がとりまとめ、下光秀二郎副社長が答える形が取られ、その後、来場株主からの質問を直接受け付けた。主な質疑のやり取りは以下のとおり。
――競合の総合電機メーカーと比べ株価が低迷している。
事業内容は違いますが、同じ総合電機と属される日立製作所、三菱電機と比較して株価が低いことは事実であり、誠に申し訳ございません。参考までに12年3月末時点の株価と13年3月末の株価を比較すると、日経平均の騰落率を東芝は上回っていますが、当然ながら満足できる水準ではありません。
――日立製作所をキャッチアップするためにどう取り組むのか。
当社と日立は業態や事業内容は違うため、単純な比較はできませんが、比較的近いと思われる社会インフラ事業では、売り上げ伸長率では日立が前期比5.4%増に対し、東芝は6.3%増、利益率では日立4.9%に対し、当社は5.3%。昨年度実績で当社が上回っていると推定しています。日立の事業内容にはない、当社の中で業績の厳しい映像事業については構造改革を着実に実行し、利益を確保できる体制を目指します。(中略)さらに独シーメンスなど海外のグローバル企業とも伍していくようにしたい。