ドライヤーの正しい使い方を知っていますか 髪を濡れたまま放置するのは御法度

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影響を受けるのは髪だけではありません。頭皮にとっても濡れたままの状態は好ましくありません。髪や頭皮には常在菌が存在し、髪を弱酸性に保ったり、新陳代謝をよくしてくれていますが、頭皮が濡れている状態だと、雑菌が繁殖し毛穴が塞がったり、新陳代謝が悪くなるともいわれています。

毛穴に老廃物や酸化物がたまり、結果毛根に栄養が伝わらず、薄毛の原因になりかねないのです。嫌な匂いのもとにもつながりかねません。就寝前に髪を乾かさなかったら、枕や布団を濡らし、それが原因で雑菌を繁殖させてしまうこともあります。

雑菌はかゆみを感じてしまう原因にもなり得ます。かいて頭皮を傷つけてしまうとフケだったり、毛穴にダメージを与えてしまいます。髪を乾かさないことが、悪循環の発端になってしまうのです。

髪の長い女性だけでなく、短髪の男性にとっても、髪や頭皮を良い状態に保つには、濡れた髪は早めにドライヤーで乾かすのが望ましいのです。ドライヤーの前にタオルで拭く際も、こするのではなく、叩くような拭き方がいいでしょう。濡れて膨潤している状態の髪は、摩擦に対しても大変弱くなっているからです。

温風と冷風を正しく使い分けましょう

一方、ドライヤーを正しく使えている人は意外に少ないかもしれません。たとえば、市販のドライヤーには温風と冷風の切り替え機能が付いていますが、これにはちゃんと意味があります。

髪は例えるならロウソクのロウと同じ。温めると柔らかくなり、冷えると固まるという性質を持っています。温風で、まずは根元を指でシャンプーするような動作で地肌を乾かします。この時、根元を起こしながら乾かすと自然なボリュームが出ます。逆にボリュームを落としたいなら、ドライヤーを上に持ち上げ、風を上から下に温風で乾かすと、ボリュームダウンもする効果が得られます。

大切なのは毛先です。髪の毛は余程のことがない限り、毛先のほうがダメージの進行も進み、キューティクルも薄いのです。毛先にもドライヤーをちゃんと当てることが、綺麗な髪の毛につながります。

私の美容室に来られているお客さまから、「ドライヤーは少し半乾きのまま終わらせてしまうのですが、大丈夫?」という質問を受けることがあります。私は「大変かもしれませんが、完全に乾かしきることが大事です」と答えています。

髪にツヤを与えたい時は、ドライヤーで程よい距離を保ち、指を通しながら上から下にキューティクルを整えたらベスト。そして最後に冷風です。冷風はスタイルを維持する効果と、キューティクルを引き締める収斂効果もあり、髪にツヤがでます。

ドライヤーを正しく使って、髪を良い状態に保ちましょう。濡れたまま寝るのは御法度です。

毛利 俊英 美容師/ヘアサロンtricca代表取締役

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もうり としひで / Toshihide Mouri

1972年千葉県生まれ。kakimoto armsを経て、2002年代官山にヘアサロンtriccaをオープン。美容室におけるトータルビューティーに早くから着目し、現在ヘアサロンの他、ネイル&アイラッシュサロンも代官山で展開中。2012年には、葉山の森戸海岸にトータルビューティーサロンをオープン。2014年までシュワルツコフのアンバサダーを務め、資生堂の商品開発やセミナー講師も務める。サロンワークを中心に、雑誌撮影、セミナーなど国内外で活動中。再現性と曲線を重視した、ライフスタイルに合った提案を得意とする。

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