よいゾンビ企業と悪いゾンビ企業

ド直球で企業再生を考える

企業再生は大変な仕事ですねとよく言われます。私も大変だと思ってずっと仕事をしてきましたが、あらためて考えてみると、企業再生という業務は特筆するほど困難を極める仕事なのでしょうか。

私が思うに、経営危機の重篤な状況からある程度、独り立ちできる状態まで会社を持っていくことは、(あくまで比較感でしかないですが)世の中にあるいろいろな仕事のうち最も困難かというと、そういうわけでもないと思います。

事業再生の本を読んだりセミナーなどで話を聞いていると、ものによっては再生の崇高さや困難さが極度に強調されていたりするものもあります。再生の仕事が特段に難しかったり特別な価値があったりするかというと、私はよくわかりません。私ももちろん再生の仕事に誇りは持っていますが、世の中にある仕事の中でもっと困難な仕事はいくらでも存在するとも思います。

企業再生には再現性がある

企業再生に限らず、自分の仕事の価値や難しさを極端に強調する人は、自分を大きく見せる自己表現力が巧みなのか、(難しいということで)失敗したときの逃げ道をはっているのか、どこかうさんくささを感じてしまいます。

話を戻しますが、企業再生というのは実はかなり再現性が高い領域だと感じます。

いつか見た景色に何度も遭遇します。費用の使い方がおかしい。それ以上に費用の払い方がおかしい。損益分岐点が理論上想定される水準から極端に乖離している(その費目の当たりもついている)。売り上げを分解してみると単価が下がり、その後に数量が落ちてきている(値下げの悪循環)。インタビューすると、全員が誰かを批判していて全体としてループを形成している……。

大抵のことが共通しています。見えてくる景色がある程度共通していれば、何が起こるか予想がつきます。予想がつけば打ち手がわかります。似たような現象が起これば、そこでの原因を絞り込めます。原因がわかれば打ち手の筋がよくなります。

どちらかというと知恵というより、知識や経験の世界です。

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