QE3縮小のスピードに市場は順応できるか FOMCの「宿題」は、出口戦略の見直し

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縮小

バーナンキ議長は(1)資産購入停止後も再投資政策を通じてポートフォリオの残高を維持すること、(2)資産購入停止から利上げ開始までの間にはかなりのインターバルがあること、(3)利上げ後もそのテンポは漸進的であること、(4)出口戦略に関する様々な論点について議論を進めているが、かなり長い間にわたってそうした議論が実際の政策に反映されはしないこと等、金融政策スタンスの変更が緩やかに進むことを熱心に訴えた。しかし、FOMC当日の金融市場の動きが象徴しているように、市場参加者の視線はすでにその遠い出口に向かっている。

長期インフレ目標や金利ガイダンスに続き、QE3のガイダンスを発表したFOMCにとって、金融政策の透明性向上(コミュニケーション政策)の面で残された重要な“宿題”は、出口戦略の見直しのみになったとも言えよう。金融政策の正常化に向けた準備は予想以上のスピードで整いつつある。果たしてそのスピード感に金融市場参加者がついて行けるのか。金融市場の正常化という観点では不透明感が燻ったままだ。

小野 亮 みずほリサーチ&テクノロジーズ プリンシパル

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おの まこと / Makoto Ono

1990年東京大学工学部卒、富士総合研究所(現みずほリサーチ&テクノロジーズ)入社。1998年10月から2003年2月までニューヨーク事務所駐在。帰国後、経済調査部。2008年4月から市場調査部で米国経済・金融政策を担当後、欧米経済・金融総括。2021年4月より調査部プリンシパル。FRB(米国連邦準備制度理事会)ウォッチャーとして知られる。

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