「罵倒するだけの上司」に耐えても仕方がない 仕事の成果は「環境」で変わる

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若いうちは自分にとっていちばんハードルの高い仕事に、文字どおりタックルして取り組むことが非常に大切です。体力的にも時間的にも無理が利く時期ですし、何せ頭も柔らかく、何でも吸収できる状態にあるからです。逆に若いうちに楽を覚えてしまうと、その後の成長はありませんし、後々、苦労をするのは自分自身ということになってしまいます。

ただし、仕事とは根性論だけでは成り立ちませんし、継続できません。キャリアとは短距離競走ではなく、長距離競走です。ですから、継続性を念頭に、いかに自分自身に合う環境に身を置き、実力をつけるかが勝負です。環境が整っていないと成長や結果は伴いません。

仕事における結果とは、単純に考えると「しかるべき環境×実力」です。つまり結果を出したければ、結果の方程式の両軸をケアする必要があります。実力が何ら変わらず、環境だけ変えても結果は出ません。だから逃げの転職は成功しないのです。

会社にしがみつくことに「合理性」はない

逆に、実力がどんなに変わっても、それを受け入れ、発揮できる環境がないと結果は出ません。だから、自分が置かれた環境の精査が必要なのです。そう考えると、一度入社した会社だからとしがみつくことには、何の合理性もないことがわかるかと思います。

どんな優秀な人でも、環境によっては自分の実力を発揮できないケースもあるのです。結果が出ないときは、環境をどう変えるべきか、自分(実力)がどう変わるべきか、その両方を考えないといけませんし、どちらの要素がより強いかの見極めも大切なのです。

さて、みかんさんのケースではどうか?

いただいた文章を拝見するに、みかんさんは頑張ろうとする気概はあるものの、仕事をするうえで、OJT的なものを含む上司からの導きやサポート、同僚との関係を非常に重要視されているようです。逆の言い方をすると、環境はどうであれ、ご自身で積極的に勉強し、学び、切り開いていくタイプではないようです。

どちらが優れているというたぐいのものではありません。あくまでも個々人のスタイルですから、比べること自体がナンセンスです。

要はインプットの形態が異なるだけで、結果たるアウトプットを将来出せればよいわけですから、結果にたどり着くためのやり方は自分に合ったスタイルを選択すれば何ら問題ないわけです。

ただ、そのスタイルと置かれた環境が合致している必要はあります。上司のサポートや導きを重視したいのに、それが得られなければ環境とスタイルが合致しておらず、おのずと結果は伴わないでしょう。

次ページ問題はその上司だけではない
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