ヒラリーが土壇場で大苦戦する「3つの理由」 実は問題はメールだけではなかった

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さて、ここからは11月8日に差し迫った大統領選の現状の解説をしたい。

これまで、筆者はずっと「トランプ有利」というスタンスを継続してきた。こちら(米シカゴ)に住んでいるので、主要メディアがヒラリーびいきの情報を意図的に流しているのはわかっていた。そこで、過去の大統領選で最も正確に情勢を伝えていたIBD/TIPP(Investors Business Daily/TechnoMetrica Institute of Policy and Politics)の発表する支持率をずっとチェックしていた。

この調査では、10月前半、一般的にはトランプの支持率が最も落ちたといわれたころも、トランプはヒラリーに対して優位を保っていた。ところが、メール問題が再び出た10月28日の金曜日から、トランプの勝利の確率が逆に下がってしまった。

その理由について筆者が納得したのは、以前も紹介したディック・モリス氏の見解である。モリス氏はトランプを応援している立場だが、メール問題再調査の衝撃の翌日、以下のような可能性を指摘したのである。「これでトランプは追い込まれるかもしれない。このことは、アンケートでは反トランプと答えながら、実際にはヒラリーのために投票所まではいかないはずだった層を、逆に掘り起こしてしまう」。

確かに、トランプの弱点の女性スキャンダルでトランプ支持者がトランプから離れることがないように、メール問題でヒラリー支持者がヒラリーを見放すことはない。

ヒラリーと民主党が苦境に陥った「3つの理由」とは?

一方でメール問題の影響が出ているのが議会選挙だ。これまで民主党が上院の過半数を奪還するのは「確実」とされた。しかしEメール問題後、 直近の情勢ではその可能性は50:50になった。

そこで指摘しておきたいのは、この土壇場でヒラリーと民主党が苦境に陥った理由は、メール問題だけではないということ。ズバリ、今のヒラリーと民主党の苦境の原因は次の3点だ。

1)メール問題
 2)ウィキリークス
 3)オバマケア

まずメール問題は、2009年、オバマ政権入りしたヒラリーが、2008年の大統領選挙で設定した自宅のサーバー(Clinton .COMなど)を媒介とするブラックベリーのメールアカウントを、国務長官になって公務にも利用したことが発端だ。

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