ヒラリーが土壇場で大苦戦する「3つの理由」 実は問題はメールだけではなかった
当事、国務省は携帯電話のメールサーバーの危険性を再三指摘した。プライーベートサーバーを使う場合は、国務省が用意したデスクトップPCを使うように警告した。ところが、ヒラリーはPCのキーボードより、ブラックベリーの方が使いやすいと譲らなかったという。ただし記録が国務省のサーバーに残るなら、プライベートのメールアカウントを使うこと自体は違法ではない。
メール問題の「本質」とは?
ところが、ヒラリーが「ベンガジ」(2011年9月11日のリビアでの米領事館襲撃事件)対応で議会の公聴会に招集され、事前に国務長官時代のメールの提出を求められた際(ダンボール箱で12箱)、大量のメールが消されていたことがあとから発覚した。もし消去が意図的にされ、それが証明されると、ヒラリーは公務員法違反で刑事罰の対象になる。
この捜査は司法省の元でFBIが行い、いったんは「限りなく黒に近いグレー」ということで収まった。それが、全く別件であるヒラリーの女性秘書の夫のセックス関連の事件で、押収したPCから、女性秘書のメールが大量に見つかった。
秘書は、ヒラリーの調査の際、証人として一切隠しごとがないことを前提にFBIから免責されている。しかし夫と共有したPCから彼女のメールが見つかったため、免責が停止。この時点で、FBI長官は「新たなメールが見つかった」ことを発表した。
ただこれでは、メールの内容が判然としない。そこで両陣営は心理戦の駆け引きに出た。共和党も民主党も内容を公開するように要求したのだ。ヒラリーは「新しいメールは自分に関係ない」という主張。共和党はこれをヒラリーのブラフ(はったり)と考え、同じく公開を主張している。
そうこうしているうちに、ウィキリークスが追い討ちをかけた。これが2つ目の問題だ。最初の2回のTV討論で、元CNNキャスターで現民主党の幹部が、自分のCNNでの立場を利用し、討論での質問をヒラリーにだけ事前に伝えていたことが暴露されたのだ。
さらに、ヒラリーのキャンペーンに協力するため、グーグルが同社の機能をどう使うべきか指導していたことも発覚した。ウィキリークスはこれまでもボディブローをずっと放ってきたが、今回の影響は大きい。
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