日本人が知らない米大統領選「拮抗」の理由

「トランプが嫌い」では米国の実像を見誤る

「対等ではない」とする理由について、自由回答では「普通に考えても」「なんとなく」「戦後ずっと」と簡素なコメントが多かった一方で、

「(米国が)日本の安全保障を担っている時点で対等ではないと思うが、その関係を直そうとしても、そのコストなどを考えると今のままでいいと思う」(20代・男性)

NY元州知事基金が10月下旬に開いた夕食会には大統領候補が揃って出席した(写真:ロイター/アフロ)

「軍事力や保有国土などにおいて、日本が圧倒的に弱い立場にある。日本国内における米軍基地移転問題など、日本から撤退ほしいと願っていても長年かなわないのは、力関係が対等ではないことを感じさせる」(30代・男性)

「安全保障に関しては、少なくとも、日本が米国の防衛機能は果たしていない。核の傘に寄生した関係であり、建前上は対等かもしれないが、米国が中心であることは間違いない。日本は、米国の保護の下にあるので、基本逆らえない」(50代・男性)など、米国の軍事力や安全保障の関連で具体的に書かれたものも数多くあった。

4人に1人が日米安保の継続に悲観的

また、アンケートで「日米の安全保障体制は今後も続くと思いますか」と聞いたところ、全体の約25%、4人に1人が「思わない」と答えた。

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この「思わない」と答えた人を年齢層別にみると、20代、30代がともに23.3%と最も割合が高かった。一方、最も低かったのは70代以上の7.9%(40代、50代、60代はいずれも10%台)。若年層は高齢者層に比べて日米安保の将来について悲観的な見方をしているようだ。

さらに「日米安保が今後も続くとは思わない」と答えた人に、今後の日本が取るべき選択肢について聞いたところ、最も割合が高かったのが「核によらない自主防衛」で40.7%。33.2%の「わからない」を挟んで、3番目は「核武装」(13%)であり、「米国以外の同盟」(9.1%)を上回った。

トランプ氏は選挙期間中、同盟国の日本に対してことさら挑発的で、駐留米軍のコストを十分に負担していないとまくし立てた。講演のため10月に来日していた元国務次官補でハーバード大学特別功労教授のジョセフ・ナイ氏は、「日米同盟を維持することは自明とされてきた。そこにトランプ氏が疑問を投げかけたが、彼の主張が米国の将来の姿になる可能性は低い」と語っている。

東洋経済のインタビューではクリントン氏について、「日米同盟に関して強力な賛成派だ」(ナイ氏)と述べた。クリントン氏はオバマ路線を継承するスタンスだが、そのオバマ大統領は2013年に「米国は世界の警察官ではない」と述べている。いずれの候補が大統領になっても内向き志向を強める米国が、はたして日本の防衛に対する関与をどれくらい減らし、代わりに日本が自前で何をやる必要があるのか。その加減を冷静に見極めていくことが重要になるかもしれない。

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