勤続年数は長ければ長いほどよい?
271位には、よく比較される資生堂と花王が同じ17.7年で並んだ。両社とも化粧品メーカーのイメージだが、従業員の男女比は資生堂が1:1、花王が3:1とかなり違う。勤続年数の男女別も、資生堂がバランス型、花王は男性主導型といった感じだ。
ところで、ここまで「長く働ける」ことを主眼にランキングを見てきたが、勤続年数は長ければ長いほどよいのだろうか。
大卒中心ならば19年で「辞めない会社」だとしたが、トップの四国旅客鉄道は高卒等も含むとはいえ、この基準を5年も上回る。19年の根拠には、「毎年安定的に採用を続けていれば」という条件もついている。上がつかえていて若年層を採らなければ、勤続年数は長くなり平均年齢は上がる一方だ。
実際に上位企業でも、持ち株会社ベースのため参考値扱いだが、再編を経た学研ホールディングス(7位)や、まだAV不振の爪あと深いパナソニック(11位)、そして楽天などが第三者割当増資を共同で引き受ける方針が報じられた出版取次の大阪屋(7位)など、経営の不安定さの背景に新陳代謝の悪さもあったとみられる会社も散見される。
いわゆるブラック企業ではないにしても、経営が立ちゆかなくなれば辞めざるをえなくなることもある。会社は皆同じではないし、「ブラック」「非ブラック」などとなかなか線引きできるものではない。「長く働ける会社」かどうかは、他人の判定に頼らず、やはり自分の目で判断しなければならないのだ。
(撮影:尾形文繁)
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