「そのファンドは主に、世界中のスタートアップ企業に投資したい投資家たちに向けたものですが、同時に自分たちの世界的なネットワークを使って、日本企業が海外進出する際のサポートを行います。単なる金融投資ではなく、世界中の起業家や投資機会へのワンストップ・アクセスを提供する、戦略的パートナーシップ形成の支援をします。今、伝統的資産は潤沢な流動性で価格が高騰し、投資機会が少ない。しかし一方で、世界には有望な新興企業がたくさんあります。そんな企業に日本からの投資を呼びよせると同時に、グローバル展開を志向する日本企業に、世界中のスタートアップ企業やグローバル人材とのパートナーシップ形成を支援していく。すでに世界各地の著名大企業から、私たちのプラットフォーム上の世界中のスタートアップと協業したいというオファーをたくさんいただいています。世界中のスタートアップに投資したり、世界中の起業家と連携したいさまざまなクライアントに、世界80カ国に広がるINSEADのネットワークを活用し、世界一国際的な投資機会を提供していきます」
さらに、ムーギー氏が注力しているのが、グローバルエデュケーション。とくにグローバル・リーダーシップ・エデュケーションに力を注いでいる。
「私は、竹中平蔵先生の“世界塾”や、グローバルキャリアを志す人を支援する“strong-career.com”のイベントなどで、時折講演させていただいています。その中で実感するのですが、日本の学生は一生懸命勉強するわりに、“何をやりたいのか”答えられず悩んでいる人が多いように思えます。
でも、それは、ある意味で当然なのです。実はビジネスで大成功を成し遂げたと言われる人たちでさえ、自分の仕事が本当に天職かどうかわかっていない人が多いものです。最終的には自分のやりたいことがわからない。そこを基本形だと考えればいいのです。そうすれば、もっと楽に考えられるようになるはずです。完全に天職といえる仕事がわからないのは皆一緒、と肩の力を抜きつつも、それでも自分が本当にやりたいことを問い続けることで、少しずつ方向性が見えてくるものです。また、本当にやりたいことは人生のステージで変わるのが当然なので、自問し続けることが大切なのだと思います」
主体性こそが自己実現の条件
では、私たちが、これから成功するためには何が必要なのだろうか。ムーギー氏は、いわゆるいい大学、いい会社に入った人たちだけでなく、自分で選んだ分野で最高水準の仕事をする、業界のレジェンドになったような人たちに成功の秘訣を聞いて回った結果、次のような結論に至ったという。
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