日本の利子配当の受け取りは、海外から見れば日本への支払いである。日本が対外純資産を積み増すということは、世界のどこかの国が対外債務を増やさなくては実現できない。貿易収支や経常収支は赤字より黒字が好ましく、対外債務が多いより資産が多い方が好ましいと考える人は多いだろう。他の国々でも同じように考えているはずであり、日本が黒字を拡大させたり資産を増加させたりすることで、自分達の赤字や債務が拡大することはどの国も好まない。
日本がまだ貧しく、経済規模もそれほど大きくなかった時代には、日本経済が世界経済に与える影響を無視して行動することが許されただろう。しかし、2009年に中国に抜かれて世界第2の経済大国という地位を譲ったとは言っても、国連加盟国だけでも世界に193か国もある中で、まだ第3位の経済大国である。
日本は、他国の経済成長に依存しないで経済成長をするという、経済大国にふさわしい道を探るべきではないだろうか。
(撮影:尾形 文繁)
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