アマゾンは「起業の大衆化」を実現した 米アマゾン最高技術責任者のボーガス氏に聞く
事業立ち上げ費用は100分の1に
――Airbnbの事例が出ましたが、AWSはエンタープライズにも使われる一方、そうしたニュービジネスのスタートアップを手助けするインキュベーター(孵化器)の役割を果たしている点を興味深く思います。
AWSによって、ビジネスの立ち上げを完全に大衆化できたと思います。それまでは最低でも300万~500万ドルはかけなければ、インターネットサービスを展開できないと言われていましたが、最近では100分の1の5万ドルで始められます。5万ドルで始められれば、かなりスムーズに立ち上げられるし、事業を息長くできるでしょう。
今までのようにハードウェアの世界であれば、若いビジネスが育っていくことは難しかった。AWSによって新しいビジネスを生み出した起業家たち、Pinterest(ピンタレスト)、Instagram(インスタグラム)、Dropbox(ドロップボックス)、Evernote(エバーノート)の創業者に話を聞けば、おそらく「クラウドなしにはできなかった」と言うはずです。
――そういう新しい産業をインキュベートした、という思いはありますか。
ジェフ・ベソスは、株主向けのレターの中で、プラットフォーム戦略についても触れています。その中で、「アマゾンのプラットフォームは、お客様が夢をかなえるためのもの」と語っている。ビジネスを生み出したのは起業家であって、私たちではないのです。
(撮影:尾形 文繁、梅谷 秀司、大澤 誠)
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