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ところが、「仕事やプライベートの問題解決に日常的に使っていますか?」「フレームワークを自分で作れますか?」と聞かれると、「そういえば、本で読んで知っているけれど、使ったことないな……」という方が多いのではないでしょうか。

実は、こういうコンサルティング特有の論理的な思考法(ロジカルシンキング)は、誰でも、日常的に使えることをご存じでしたか?

私が今回の本でお伝えしているのは、ロジカルシンキングの超・超・初級編。もともと、いわゆる問題解決の教科書のように、企業の事例を基に、MBAで習うケースのように書いていったのですが、どうもピンときません。企業の事例は、しょせん他人事。自分で使えるようにならないのです。

それだったら、自分がよく相談を受けている人たちの日常の悩みを解決していく形で、ロジカルシンキングの本質を説明していく本にしようと思い、書き進めてみたところ、フレームワークも5つに絞られて、読者が身近に使えるような内容となったのです。

「経営コンサルティングの思考と技術」は、何もマッキンゼーやBCGのコンサルタントが独占して使うものではありません。企業や人に役に立ってナンボです。

基本的には、情報を論理的に整理して、グラフや図表で「見える化」して、問題解決する技術ですから、カンタンなものは、誰でも身に付けられます。

カンタンなものといったのは、実際のフレームワークは数多くあるからです。そこから何をピックアップして問題解決をしていくかというのは、プロの技。そこに企業は1時間10万円ものコンサルティング料をトップコンサルタントに支払うのです。

さて今回は、東洋経済オンラインの読者の皆様向けに、ビジネスパーソン特有のお悩みを例に、コンサル思考で解決してみたいと思います。

【お悩み】グローバルエリートとは程遠い自分
都内の4年生大学を卒業し、大手メーカーに就職。営業を担当している31歳です。
仕事自体は性に合っており、無我夢中で働くうちにこの年に。最近ふと、この会社でいつまで過ごすのだろうかと心配になってきました。自分は親の仕事の都合で7年間、海外で暮らした帰国子女で、いつかは海外で働きたいという、漠然とした夢を持っていました。しかし、うちの会社はほとんどが国内相手の仕事で、いくつかある海外支社も経費節減のため減らしていて、なかなか海外駐在のチャンスが回ってきません。
そんな中、飛び抜けて優秀とも思えない同僚が海外勤務を命じられることが続き、なぜ自分じゃないのかと思うと、悔しくて眠れないこともありました。また、商社など他社に勤める学生時代の友人たちは、次々に海外へ飛び立っていきます。
今の会社は収入は世間的には十分な水準で、残業も少なく、比較的休みも取りやすい環境で、妻は転職に必ずしも賛成していません。しかし、グローバルに活躍することを目指すには、そろそろ動き出すべき年齢なのではと迷っています。(31歳・タカシ)
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