DMM会長がアフリカに100億円を投じる理由 欲しているのは、発想力ではなく実行力
――地に足の着いた見極め方という印象です。
予算をつけるわけだから、それなりにね。どこかでやってきた経験、腕と、あとは人脈。自分ができなくてもこの人とこの人がやります、エンジニアも優秀な人がいます、僕が彼らを仕切ってやります、ということなら、なんとかなりそうに思える。
ひとつのものを仕上げるのは、自分だけではできない。何人かのエンジニア、クリエイターくらいはまとめられる人望がいる。
――今日みたいなイベントからも、面白い案件があれば拾いたい?
現実味がありそうなら、うちも投資をする。でも、単にアイデア出しやプレゼンが好きな人ではなくて、自分がやります!という人がいい。俺ができるのは、行くって言う人に許可を出すこと、予算を付けることだけ。無理やり行かせると今どきはブラック企業と言われちゃうし。
若い人に自由にやらせたい
――次はこんなことやってみたいというアイデアはありますか。
俺は人が持ってくるものに乗っかるだけ。もう思いつかないもん、50過ぎて新しいことなんて(笑)。いや、思いつく人もいるかもしれないけど。最近はわからないまま案件に乗ることもある。「このアプリ、絶対いけます!」という人に、そんな気がする……くらいの感触で。
たとえばLINEやフェイスブックみたいなサービスを、それがまだ世の中にない時点で自社のエンジニアが開発して持ってきたとして、それに確信を持って乗れる経営者がどれだけいるか。それは年寄りの限界。若い人に自由にやらせるのがいちばんいい。
――乗るかどうかを決めるときにも、実効性が最重要でしょうか。
そう。「僕はちょっと考え付いただけで……」というようじゃつまらない。自分で全部できないなら、予算組みや事業計画をできる人を探して連れてこいと。アイデアだけじゃ、正直何の価値もない。
アイデアをパクられた、パクってないとかいう騒動がたまにあるけど、そもそもアイデアなんてパクる価値もない。たとえば海外に行ったとき「これ日本で売ったら儲かるよ」と言う人がいるけど、たぶん輸出入の条件を調べたこともない。で、日本で似たようなものが売り出されたのを見て、「ほら、これ当たると思ったんだよね~」って。いるでしょ?
無料会員登録はこちら
ログインはこちら