DMM会長がアフリカに100億円を投じる理由 欲しているのは、発想力ではなく実行力
――アフリカ事業に限らず、新しい事業を開始するに当たって、社内のチームはもちろん、スタートアップなど社外のリソースにはどう期待していますか。
アフリカに関しては、特にアフリカ人のスタートアップに期待している。そもそも日本人で、わざわざアフリカで起業したいという人はあまり聞いたことがない。最近はITで何かっていうのがほとんどで、海外に行くにしても、シリコンバレー、あるいは中国くらいでしょ。
そもそもIT以外のところで、日本にはスタートアップを育てる土壌がない。よくわからない若者が建築をやりたい、ラーメン屋をやりたいと言ってもカネ出す人はまずいない。でも、アフリカは違う。日本に当たり前にある物流もコンビニもまだないから、どの分野にも入り込む余地がある。
アイデアより、それを実現できる人
――「DMM.make AKIBA」でものづくりのスタートアップ支援を行っています。3Dプリンタなどひととおり道具を揃えて、場所を提供して。
みんなのびのび、思い思いのものを作っている。ITや映像なら部屋から一歩も出ずにビジネスを起こすこともできる時代だけど、ものづくりはもっとハードルが高い。そこにひとつのプラットフォームを作れば、投資家が集まってくるし、できた製品を売るルートについても知恵を出せる。
売り出せる製品もいくつか出てきた。まだ売れるかどうかはわからないけど、ぜひAKIBAから育って欲しい。そのうちアイロボットみたいな会社ができてくれるとうれしいね。DMMにとっても大きい。
――アイデアを持った人をDMMで業務委託的に雇い、実働部隊と資金を与えて働いてもらう、会長直轄の「亀チョク」もあります。「この人にならカネを出せる」というのは、何を基準に判断していますか。
アイデアよりも、それを実現できそうな人物かどうか。持ってくる人間による。「誰かが同じことをやり始めたらどうする?」という質問に論理的に答えられるか、本人の経験が生きる分野か。実績や裏付けも必要になる。今度DMM水族館をやろうとしているけど、テーマパークで施設運営をしっかりやってきた実績がある人間だったから、やれそうかなと。
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