DMM会長がアフリカに100億円を投じる理由 欲しているのは、発想力ではなく実行力

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――電子マネーは、どのような点にビジネスとしての魅力がある?

向こうは銀行とか金融とか、そういう基礎的な面が弱い。そもそも通貨がものすごいインフレを起こしたり、誰も預金口座を持っていないような地域もあったり。でもそういう地域こそ、ある意味日本よりスピーディーにモバイルマネーの方向に行く。

携帯電話だって、固定電話がある国より何もない国のほうが急速に広がった。電子マネーも似ていて、既得権を握っている人たちとの争いがない。ドローンなんかも日本よりアフリカのほうが先に浸透するかも。ぶつかるような高層ビルは少ないし、厳密な規制もないだろうし。

――アフリカで本格的に売り上げが立つのはいつ頃になるでしょう?

どうかな……。年明けくらいには何か話ができるかもしれない。でも軌道に乗ってこないと、かっこ悪くて言えないかな。

アフリカの若者は「やむを得ず」起業する

――チームの規模は、今後もっと大きくしていくのでしょうか。

今はゼロからイチを作る段階だから、そんなにたくさんはいらない。イチを作れる人は、25人いたって2、3人だと思う。イチから10を作れる人も大切。ただ、今は人数を増やしてもやることがない。事業が軌道に乗ってきたら、日本よりむしろ現地で雇用したい。必要な教育は日本からいくらでもするけど、人を大量に送り込むのは現地で疎まれる。

――アフリカの若者は、日本に比べると起業マインドが高いですか。

「起業したい」というより、「やむを得ず起業する」という感じ。大学を出た、海外に留学したという優秀な人にも、魅力的な働き口がない。あるいは、海外のサービスやインフラに触れて、「あれ便利だったのに、わが国にはない。でも誰も作ってくれない。じゃあ自分でやるか」みたいな。

DMMも、現地の人の感覚に近い、民衆に近い形の仕事を大事にしてアフリカ事業を進めたい。政府機関とタッグを組むようなものに参加するチャンスもあるとは思うけど、政権が変わったことで全部なくなっちゃうようなものではなくて、ずっと生き残るようなサービスがいい。「これがないと不便だな」と思ってもらえるようなところに腰を据えたい。

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