ホテル戦争の仕掛人? 森トラスト次の一手 森トラストの後継者、伊達美和子氏に聞く
――外資系のセカンドラインで未進出というと、スターウッドなら「W(ダブリュー)」、マリオットなら「エディション」などですね。ズバリ、どこですか?
公表はもうすぐですかね。完成は2014年の2月か3月かな。今が詰めの段階です。ちょっとライフスタイルホテルや、デザインホテル的な発想で作ろうと思っています。
ブランドの違いより、姿勢とタイミングの違い
――話は変わりますが、一緒に組んでビジネスをすると、外資系グループの中でも、やりやすいとか、やりにくいとかあるのでしょうか。
ブランドの違いというより、どのくらいの戦略で東京に進出したいか、ということだと思います。たとえばアジア資本(編集部注:マンダリン、シャングリ・ラ、ペニンシュラなど)は進出が欧米勢より一歩遅れた。ただ結果的に(東京駅など都心部に近い)いちばん内側に立地を取れた。
どのブランドのどんなランクのホテルであっても、運営手法の基本の7割くらいまでは同じなんです。残りの3割ぐらいが、それぞれのブランドによって変化変容していくと思っています。守るべきところはブランドと安全性。
あとは(進出などの)決断をされる方がアジアにいらっしゃる(アジア太平洋オフィスなど)場合もあれば、アメリカなど本国であったりイギリスであったり。どこの国で判断しているかによって、若干のニュアンスと言うか、感覚は違いますね。
日本市場を理解しているか、していないかで差が出るので、そこで距離を感じることはあります。
現在のホテルの計画はアベノミクスより前
――ホテル2007年問題(大量供給)と言われたように、リーマン前に外資がきて、リーマンショック後に一服して、直近ではアベノミクス効果で進出が加速しているようにも見えますね。今はやはり攻めの時期にあるのでしょうか。
うーん。不動産やホテルへの投資はどうしてもタイムラグがあるので、今の瞬間の景気を見たから投資できるかというと、ちょっと違うと思うのですね。われわれの投資は、2~3年ぐらい前から全部準備を始めて、ある程度の形になったところで、順次、今年と来年にかけて行っていきます。既存の施設への設備投資であれば100億円から120億円ぐらいかけますが、それも数年前の計画ですね。
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