「アツすぎる精神論」にうんざりの人たちへ

「ピカソからの7つの助言」に反論する

6. ジャッジせず、隠された美を見ろ

「我々は脳をブン投げて、ただ目だけで見ることができればいいのだが。」

⇒よく意味がわかりません。まさに芸術家から芸術家に対する助言だと思います。普通の会社勤めのわれわれが、「ジャッジせず隠された美を見る!」とか会議中に言い出したら、追い出されます。まずは見えているものを自分の目でしっかり見たうえで、論理的にジャッジすることが必要ではないでしょうか。

7. 遅すぎるなんてことはない。

「若さと年齢は無関係。」

⇒これは確かにそういう面もあるのだと思います。新しいことにチャレンジするのに遅いということはありません。30代後半の私はチャレンジに躊躇しがちです。でも10年後の自分から見ると、そんなに若いのになぜ躊躇するのかと思うでしょう。私がコンサルタントから企業再生ファンドに転じたのは34歳ですが、当時はずいぶん遅いチャレンジだと思っていました。でも今の自分は34歳でのチャレンジなんて、全然、遅くないと思っています。

ド派手な精神論より大事なこと

ただ一方で、その年齢にしかできないこともあるのも事実です。

確か村上春樹氏だったと思いますが、年を取るのは怖くないが、その年にしかできないことをできなかったらとても後悔する、というような趣旨のことを語っていました。25歳には25歳にしかできないこと、30歳には30歳にしかできないことは絶対にあるので、何事もいつでもできると楽観的にならずに、今しかできないこともあると意識しながら、冒頭にも述べた「昨日と違う自分」を積み重ねて、毎日の成長を果たしていくべきだと思います。

以上、たいへん僭越ながら思うところを述べてきましたが、私は決して熱い思いは嫌いではありません。熱さが必要な場面は確かにあります。でも、熱いだけでは成長にはつながりません。ポジティブに腕まくりしてエネルギッシュに何にでも突入するのではなく、どこかで自分を客観的に突き放し、無力な生身の自分と向き合うことも絶対に必要です。そしてその中で限界を知り自己を相対化し、昨日と違う自分を唯一の物差しに、成長を果たす努力をし続ける。そのとてつもない地味さと着実さが、ド派手な精神論より自分を成長させるのではないでしょうか。それが私なりの成長のあり方と考えています。

※ 本文は筆者の個人的見解であり所属する組織・団体を代表するものではありません。

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