グーグルが実践する「大企業病」を防ぐ秘訣

同社人事を担い続けて17年の古参幹部が語る

――CCOはどのような役割を担っているのか。

グーグルはとてもフラットな組織なので、役職をことさら取り上げることは少ない。だからいつも、「どのようにしてその仕事に応募したの?」、「募集情報はどうやって見つけたの?」などと聞かれる。就任したのは入社からしばらく経った後で、社内文化の醸成に取り組んでいたのを見た創業者のラリーとサーゲイに任命された形だった。

私が日々仕事をともにしているのが、世界中のオフィスから「カルチャー・クラブ」と呼ばれる、従業員の有志で構成されるグループだ。日常の業務と並行して、社内文化を育てるために必要なこと、たとえば働きやすい環境づくりや社内イベントなどを行っている。また、各拠点の責任者とも話し、文化を浸透させるためのメッセージの発信をしてもらっている。

イノベーションの9つの柱

自然にコミュニケーションが生まれるスペースを重視(写真はニューヨークオフィス)

――イノベーションを可能にする文化とはどういうものなのか。

創業者たちは当初から、型にはまった会社にはなりたくないと考えていた。会社の核となるミッションは、世界中のすべての人々があらゆる情報にアクセスし、使えるようにすること。そのためには単なる検索サービスを超えた、非常に難しい仕事も必要になる。

ラリーやサーゲイは、社員たちに高い自由度を与えて、広い視野でクリエイティブに思考し、ほかの社員と協力する、そんな環境が必要と考えた。社員を大事にして、多くの情報を共有し、オープンな職場を作りだし、イノベーションを可能にする。これがグーグルの文化だ。

透明性はとても重要だ。毎週金曜には「TGIF(Thank God, it’s Friday、訳:やっと金曜日だ!)」という本社と全世界をつなぐ電話会議を実施し、経営陣たちが社員からどんな質問にも答えている。どんな情報でも共有することで、それぞれが会社に対して責任を感じるようになる。自分がオーナーであるかのように。

また文化の核となるものに、「イノベーションの9つの柱」がある。「イノベーションはどこからでも出てくる(Innovation comes from anywhere)」、「ユーザーにフォーカスせよ(Focus on the user)」、「10%ではなく、10倍大きく考えよ(Think 10x, not 10%)」、「技術的な洞察に賭けろ(Bet on technical insights)」、「(製品を)出荷し(改善を)繰り返せ(Ship and iterate)」、「社員には20%の自由時間を与えよ(Give employees 20% time)」「始めからオープンであれ(Default to open)」、「賢く失敗せよ(Fail well)」、「重要なミッションを持て(Have a mission that matters)」という9つだ。

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