本木雅弘「ダメ男の主人公に共感するワケ」 シブがき隊時代を振り返る
本木雅弘の最新主演映画『永い言い訳』(10月14日より全国ロードショー)は直木賞候補にもなった西川美和の同名小説が原作。
「何かひとつのゴールにたどり着くのではなく、見終わったところから、それぞれが考え始める映画だと思います」
西川は自ら映像化するにあたり、主人公の幸夫役を本木にオファー。不倫相手(黒木華)との密会中に長年連れ添った妻(深津絵里)が事故死。そんな状況にもかかわらず、1滴の涙も流せない“ダメ男役”を、どう受け止めたのだろうか。
「初めて“身の丈にあった役”が来たと思いました。幸夫の持つ、もろさやダメさみたいなものは、男女問わず誰もが多かれ少なかれ抱えているもの。実際、ある人からは“身に覚えがないのに、身につまされる”という感想をもらいました」
10代からずっと人目にさらされる中で
人気作家でありながら、歪んだ自意識を持ち、コンプレックスに苦悩する幸夫。その点も、ひどく共感したという。
「私自身、10代からずっと人目にさらされる中で、ついついグループ時代はその役割を、その後も人が求めているであろうイメージを踏襲しつつも、なんとかその殻を破ろうと、もがく感じがずっとあります」
15歳のときに学園ドラマ『2年B組仙八先生』でデビュー。30年以上にわたり、スター街道を走り続けているが、原点はこんなところに。
「……あれは、忘れもしない。16歳のときに北海道の丸井今井デパートの屋上から、シブがき隊のキャンペーンがスタートしたんです。『NAI・NAI16』を歌っていると、北海道産のじゃがいもやお菓子の『白い恋人』がご祝儀がわりに飛んできて。本当ですよ。そういう時代だったんです(笑)。