本木雅弘「ダメ男の主人公に共感するワケ」 シブがき隊時代を振り返る

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本木雅弘 (写真:高梨俊浩)

「わりと私は中性的なお父さんなので、娘とも一緒にショッピングに行ったりします。基本的に上の2人は12歳から海外で寮生活をしていることもあって、一般的な親子関係よりは、もめる時間も少ないですね(笑)」

その一方、末の子と接しているときは、まるで“ピエロ”状態なんだとか。というのも、「子どもが柔らかく育つというので極力、褒めて育てています。以前は、子どもに親のよろしくないところも転写されているのを感じて、褒めるのが難しかったけど、3人目にしてようやく実践しています。昔から、樹木さんが“人の成長には互いに育み、育まれる関係性を持つのが大事”と言っていましたが、日々それを実感していますね」

「劣化が自然に感じてもらえれば安心」

昨年公開の『日本のいちばん長い日』で昭和天皇の役を演じ、賞レースを席巻。'08年には自ら企画&主演した『おくりびと』がアカデミー賞外国語映画賞を授賞。どの作品でも唯一無二の存在感を放つが、出演本数は決して多くはない。作品を決めるときの基準は?

「なにか強烈な思いを持っている作り手に刺激されて、その駒になりたいという基本姿勢があります。それでいて、タイミングが合うかどうか。生活とのバランスもあるし、不器用だから同時に何本も抱えられないんですね。

あと、私の実家は埼玉県で農業を営んでいて。そんな育ちだから、いざというときには贅沢はできないけれど、米も土地もあるから食うには困らないよな、というのんびりとした思いがあるのかもしれません」

50歳を迎えた本木の顔には、おでこのシワが濃く刻まれ、グッと渋さが増したように思う。それを率直に伝えると……、「あっ、だと思います。若いときはよく引力に負けずに目も頬も吊り上がっていたなと(笑)。でも、それなりにコンスタントに表に出させていただいているぶん、老けも徐々に刷り込まれているので、劣化が自然に感じてもらえれば安心ですね。あまり時間をあけちゃうと、急に老けたとか言われますから(笑)」

変わりゆく自分を、さも楽しげに、ユーモラスに話す。年輪を重ね、ますますカッコよく、美しく進化していく本木雅弘。いつまでも、その噓のない顔を見ていたい――。

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