三宅:音楽の比喩で言うと、僕はどちらかというと一発生録りというか、モヤモヤしているのをいきなり即興でレコーディングするのが好きですね。「この間聞いた三菱重工の人の話から始めようか」と思った瞬間、すぐ机に向かいます。
楠木:なるほど。何を書くかというのは、完全に内発的なものなのですね。思わず突き動かされて、書きたくなることを書くと。
三宅:ええ。「こんなことを説明してわかってもらったら、面白いよね」みたいなものは普段からボ~と考えていて。ちょっとオカルトっぽいですけど、文章にするときは何か下りてきた感じでワァーっとやります。
楠木:もう次の本は決まっているのですか?
三宅:いえ、いえ、いえ。いや、あの(笑)。本を出した直後に藤本先生にお目にかかって、「18年かけて書いたので、今はもう頭がポーッとして、全然働かないです」って申し上げました。阪神・淡路以来の宿願で、いろいろなネタを全部詰め込みましたから。そうしたら先生が「18年かかったなら、また18年かけて書けばいいんだよ」っておっしゃってくださって、それはすごく。本当に、もう、すごく……。
楠木:いいこと言うなあ、さすがに。藤本先生は言語的反射神経抜群ですからね。
三宅:18年は、そこまではいかないと思うんですけど、でも……。
楠木:じゃあ、18カ月ぐらいで?
三宅:ええ?!! (笑)。
(構成:青木由美子、撮影:大澤誠)
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