不寛容すぎる世代対立は、なぜ生まれたのか

井手英策教授に聞く「分断社会」の解消法

井手:僕は学者の性としてどんな質問にも答えたいと思うんです。だから「知らんがな」といった時点で負け。でも、ひたすら説明しても、理屈だけではわかってもらえないときがある。だから日常生活の皮膚感覚で、こうやって訴えていくとちゃんと説明が伝わる感覚を大事にしたいんです。僕はお酒が好きで、年中飲み歩いていますが(笑)、行った先でよく消費税の話を聞くんです。そうすると、「ちゃんともらえるなら、ちょっとぐらい税金が上がってもいい」と、いう人が多い。でも、「もらえないならば取られるのは絶対に嫌」だとも思っている。

今の政府や政治家にはそうした皮膚感覚がなくなりつつある気がします。みんなが喜ぶことを考える前に、それをいったら嫌われるよね、それやったら怒られるよね、というネガティブリストの束でがんじがらめになっている。

2%の増税の中身をチェックしよう

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木本:僕は井手さんの著書を読んで、読者たちに意識改革を迫っていると思いました。そこで聞きたいのは、今日から僕はどうしたらいいか。政府がやること、政治家のどこを見ていけばいいんでしょうか?

井手:むつかしいなぁ(笑)でも、消費税を8%から10%に上げる議論が出てきた時に、上昇分の2%を何に使うかだけは関心を持って欲しいです。

木本:まずは2%の中身に関心を持ったほうがいいんですね。

井手:社会の対立を終わらせるために、みんなにとって大切なことを考えて欲しいといいましたが、みんなが必要としているにもののためにこの2%が使われるのか、そうでないのかをチェックして欲しい。貧しいだれかのため、お年寄りのため、借金返済のためではなく、みんながハッピーになるような共通のニーズを政治家が満たそうとしているか、それをちゃんと考えていそうな政治家は誰か、そんな人がいたとしたら、国民は応援するべきだと思います。

木本:政治家が何を言うかを監視して、現状の政治も見ないといけないと。

井手:そうするとちょっとハードルが高くなってしまいますね。ネットでも、実際の増税時には、2%の使い道について必ず詳しく書いてくれるはずです。それも参考にして「まだこんな使い方をするのか」「それはみんなの利益じゃない」と反対の声を上げるくらいはできる気がします。

木本:ネット社会には、多くの人に声が届きやすい面もありますからね。

井手:「こんな取り方をしていいのか?」という意見が広がっていけば抑止力になります。

木本:何が同じかを探すことが大事とおっしゃいましたが、税金の使い道でも、政策でも、みんなと目線を同じにしたら、前に進めますよね。

井手:サークルでもクラスの文化祭でもいいのですが、みんなが共通の目的や、共通の何かを考える。そうするとみんなは違いを乗り越えて助け合いだす。若い時の文化祭の準備のことを思い出してもらうといいかもしれません。

木本:この対談を読んだ方も、全員今日から「2%の増税をしっかり見るサークル」の一員として活動できるでしょう。

井手:そんなサークルができたら強烈ですね(笑)

(構成:高杉公秀、撮影:梅谷秀司)

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