"真のチーム”がないから、日本は勝てない

日本のチームは、単なるグループでしかない?

なぜ日本製携帯電話は デザインが弱いのか

日本メーカーがなかなかイノベーティブな商品を生み出せないなか、「なぜiPhoneを日本メーカーが作れなかったのか」という問いかけをよく耳にするようになってきた。この答えがまさに「日本企業にチームがないから」である。

齋藤 ウィリアム 浩幸 (さいとう・ウィリアム・ひろゆき)
1991年にカリフォルニア州でI/O Software, Inc.を設立し、同社をセキュリティ・ソフトウェア開発で世界をリードする企業に発展させた功績を認められ、98年にアーンスト・アンド・ヤング、ナスダックおよび USA Today より「アントレプレナー・オブ・ザ・イヤー」(98 年度の起業家賞)を受賞。2000年、I/O Software, Inc. の中核事業であった認証技術はマイクロソフトのWindows OSに組み込まれ、その後、全世界で160社以上の企業と同技術のライセンス契約を結ぶ。著書に『ザ・チーム』(日経BP社)がある。

iPhoneが誕生した頃、ある日本企業の社長が私に「iPhoneは日本では成功しない」と断言したのを今も覚えている。日本の携帯のほうが技術的にはるかに優れているので日本ではiPhoneは通用しないというのが彼の主張だったが、結果はどうだろうか。日本に携帯メーカーは10社近くあるが、現在日本でいちばん売れている携帯はiPhone、そしてナンバー2は韓国企業サムスンのギャラクシーである。

確かに日本メーカーの携帯は技術的には非常に優れている。技術的組合せとしてはiPhoneと大差はない。iPhoneより優れている部分もあるだろう。ではiPhoneと何が違うかといえば、顕著な違いは「デザイン」だ。見た目の魅力だけでなく、使い勝手なども含めたデザインで日本製の携帯は明らかに負けているといわざるをえない。

では、日本製の携帯はなぜデザインが弱いのか。

デザインは、技術者の理系的な発想ではなく文系的な発想を必要とする。また、消費者がどんな携帯を求めているのか、マーケティングによる分析や営業からのフィードバックも必要だ。つまり、優れたデザインの商品を作るなら、商品の設計段階で各部署の社員を参加させたチームを組織し、さまざまなアイディアを融合することが必要になるのだ。

しかし、グループを主体とした日本企業ではどのように商品が誕生してきただろうか。電気製品を例に取ると、まず、ハードウェアのエンジニアグループがいちばん偉い立場にあって商品設計を考え、彼らによってハードウェアが作り上げられる。

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