"真のチーム”がないから、日本は勝てない 日本のチームは、単なるグループでしかない?

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微妙な入社年度の違いが意味を持ってしまうぐらい、ほかはみんな似通っているということの裏返しである。男女の構成比も、日本ではどちらかに偏っている職場が多い。男性社員中心で構成される部署、女性社員中心で構成される部署が目立つ。これらは典型的なグループだ。

一方、チームとはメンバーの多様性がきわめて高い集団を指す。プロジェクトを進めるに際し、チームは、できるだけメンバーに多様性を持たせることが重要である。専門性やスキルが多様であるだけでなく、年齢や男女構成や文化背景、国籍といった点でも多様であることが望ましい。

また、グループとチームとでは、プロジェクトの進め方も異なる。グループは基本的に、リーダーによって動かされる。リーダーが主導して決定したことをグループのメンバーが真面目に聞き取って実行するのだ。

長年、日本企業では年配で地位の高い人物がリーダーとなってグループに指示を出してきた。一方、チームのリーダーは、最終的な決断は下すが、決断に至るプロセスはメンバーたちが多様なアイディアや意見を出していく。

このようにグループとチームとでは、メンバーの構成と、物事が決められていくプロセスが大きく異なるのだ(図表1)。

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