マッキンゼーで学んだプロのマインドセット 私が出会った魅力的な女性たち

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魅力的な女性の先輩たち

私がマッキンゼー時代にもう1点大きな影響を受けたのは、女性のメンターの方々です。当時のマッキンゼーには、大石佳能子さん、南場智子さん、本田桂子さん、川本裕子さん、東條紀子さん、伊賀泰代さん、秋池玲子さんら、ロールモデルとなる魅力的な女性の先輩が数多く活躍されていました。

しかも、未婚既婚、子供有無、シングルマザー、常駐のベビーシッターを雇っている方、夕方5時には退社し深夜からまた働いている方、コンサルタントではない職種を自ら創出した方等々、家族の属性や働き方のスタイルも多種多様。彼女たちを見ていると「希少性の高い価値提供ができると認められれば、結婚や出産後の働き方は自分で決められるのだ」ということが、おのずとわかったわけです。

三菱商事時代にはつねに先駆者だった私にとっては、自分より先のライフステージには多様なモデルがありうる、ということを事例として提示していただけたことは、本当に新鮮でした。いまだにキャリアの節目やライフステージの節目には相談に乗ってくださる大石佳能子さんのような生涯のメンターを得られたことも大きな収穫です。

「男女関係なく、まずはプロフェッショナリズムありき」ということをたたき込んでいただいた一方で、「女性ならではの留意点」について教えてくださったのは、パートナーの本田桂子さんでした。

金融業界のご経験も豊富な本田さんからは、ウォールストリート・スタンダードと言われるプロフェッショナルとしての基本原則のドレスコードとは何なのかを、かなり具体的にお教えいただきました。

クライアントに「違和感」を少しでも与えてしまう要素とは何か、プレゼンテーションへの傾聴の阻害要因となりうる服装や立ち居振る舞いとは何なのか、といったようなことです。ただでさえ「上から目線」と思われがちなコンサルタントですから、ブランドや価格が一目でわかるようなものは避ける、工場を訪問するときには事故の誘因ともなりかねないのでハイヒールは避ける、といったようなことです。

マッキンゼーに優秀な女性が集う理由

守破離の守がわかったうえで、たとえ服装で違和感を与えたとしても、それを凌駕するような価値が出せるのであれば多少個性的な服装をする、というのももちろんありうると思います。

しかしながら、第一印象や非言語コミュニケーションといったものは、自分で注意すれば変えられることが多いのも事実です。「こんな瑣末なことで女性がつまずかないでほしい」という思いから、多少耳が痛いことでもあえて言ってくださったのではないかと思います。いざ、自分が女性の部下を指導する立場になると、服装や非言語コミュニケーションのお作法については、指摘しづらい局面が多いのも事実です。人材育成に対する揺るぎない哲学のようなものが根底には必要なのだと、痛感する次第です。

ほかのコンサルティングファームと比べても、マッキンゼーが優秀な女性の採用力が高く、また卒業生も含め世の中での活躍度が高い、というのは決して偶然ではないはずです。

本田さんをはじめ多くの経営層の方々が、女性のプロフェッショナル育成に意思を持って取り組まれた結果、活躍するロールモデル事例が増え、女性の同僚の数だけでなく多様性も生まれ、ますます優秀な女性の採用力がより高まるというよいサイクルが回り続けてきた結果の賜物だと思う次第です。

今回は、私のマッキンゼーでの学びの中から、プロフェッショナルとしてのマインドセット、ということを中心にお話ししてきました。男女問わずに必要なこと、そして特に女性が留意しなければならないが指摘されにくいこと、などです。これらは、コンサルティングファームに限った話ではなく、顧客に価値を提供することを求められるすべてのビジネスのプロにとって重要となりつつある要素であり、多くの方にとって何かの参考になれば幸いです。

(構成:長山清子)

岡島 悦子 ヒューマンキャピタリスト、プロノバ社長

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おかじま えつこ

ヒューマンキャピタリスト、経営チーム強化コンサルタント、リーダー育成のプロ。三菱商事、ハーバードMBA、マッキンゼー、グロービス・グループを経て、2007年プロノバ設立。丸井グループ、セプテーニ・ホールディングス、マネーフォワード、ランサーズ、ヤプリにて社外取締役。20年12月より、ユーグレナの取締役CHRO(非常勤)に就任。世界経済フォーラムから「Young Global Leaders 2007」に選出。著書に『40歳が社長になる日』(幻冬舎)他。

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