たとえ今の商売が大して儲からなくなっても、息子たちも立派に東京などで自立しているし、過去の蓄財と不動産収入などで「死ぬまで生活するカネには困らない」、といった人々が、シャッター商店街のオーナーたちだったりします。
商売が行き詰まって、不動産収入も乏しく余裕がなくなってしまった人は、土地・建物・自宅・車などなど一切合切もって行かれ、現在のシャッター商店街の所有者ではないのです。本当に困っている人は、シャッターを閉めて不動産を放置しておくことなどはできないのです。
例えば、大手の新聞の1面に「シャッター商店街」が深刻な話として描かれていても、実際にその商店街の理事長さんとお会いしたら「不動産オーナーたちも別に収入があり、組合も駐車場経営がうまくいっているから全く困っていない」と誇らしくお話頂いたりしたこともありました。これはある意味素晴らしいことです(笑)。
「空き店舗対策」の補助金で、かえって街はシャッター化
このように、当座の生活に困っていない不動産オーナーが保有する商店街中心部の空き店舗に補助金を入れて、市民や学生活動の拠点やらチャレンジショップなどに変える、「空き店舗への家賃補助金制度」なるものがいまだに全国にあります。
このような家賃補助は一見、市民活動をしている人や、学生や、これから商売を始める人を支援しているように見えます。しかし、実際には生活に困らず適当な家賃設定をして、営業の努力もせずに放置している豊かな不動産オーナーの懐に税金が入るだけ、とも言えます。
さらに最悪なのは、補助金で一部の不動産オーナーが「おいしい思い」をしたことで、他の不動産オーナーにも「次はうちも補助金で……」といらぬ期待を持たせてしまったりします。その地域では結果、不当な家賃相場が維持され、シャッター商店街のシャッター化はさらに加速します。
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