コロンビア内戦、和平合意が否決された理由 国民投票で想定外の結果に
ソラノはその後、メデジンでグラフィックデザインを勉強し始めた。右翼のアルバロ・ウリベの本拠地である。いまだに影響力を持つ元大統領は和平合意に反対し、彼の元で国防省として働いたサントス大統領をFARC戦闘員に恩赦を与えた「裏切り者」と表現した。
ソラノは今、山から街を見下ろす広大なレストランで、レジ係として働いている。国民投票の前にはバスに10時間も乗り、故郷のサンタンデールに戻った。FARCによって二度も追い出されたこの地域で投票を行うためである。
弟だけが賛成票を投じた
日曜日の朝、50人以上もの家族全員が投票した後、ブカラマンガの街にある祖父の家に親戚一同が集まった。投票の話をするうちに、ソラノの弟が賛成票を投じたと述べた。
集まりがお開きになった後、ソラノは再びメデジンまでの長い帰路についた。途中、母親からの電話で投票結果を知った。「ただこれで幸せが訪れるとは思わない」ソラノは言う。「物事を考える理由にはなると思うけれど」
彼女は、政府と反乱軍の間に次に何が分からないと話した。「(結果について)幸せに感じるべきなのか、心配するべきなのかわからない。でも、私たちが確信して投票したことは確かだ」
(執筆:ニューヨーク・Nicholas Casey記者、ボゴタ・Julia Symmes Cobb記者、メキシコシティ・Paula Duran記者)
(c)The New York Times News Services 2016
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