なぜ「ノマド批判」がなくならないのか? ノマド批判と「中島みゆき」
外からの人を受け入れ、そのことで地域も変わる。お互いに変化し、合わせていく〈鍵と鍵穴の相互誘導合致〉の働きがここでも見られる。ノマドとして地域に入って行くとき、その地域のやり方にすべて染まる必要はない。むしろ、地域にも変化をもたらすようなかかわりが期待されている。高橋さんの場合、海の清掃などのボランティアというかかわり方だけでなく、ダイビング文化の普及という側面でも地域に関与している。ノマドが活躍するためのヒントがここにある。
ノマドに重要なのは「開かれていく」スタンス
ノマドの役割とは、地域や組織を外部に対して開いていくきっかけとなることである。アタリのいうハイパーノマドは、エリート集団を指していたが、石巻で起こっていることといえば、特別な能力があるから居場所ができるのではなく、つながりを生み出すから居場所ができるという点である。もちろん高橋さんにはダイビングというスキルはあった。
しかしそれだけでは高橋さんのビジネスの成功はおぼつかない。地域に対して開かれ、そして地域を外部へと開いていくかかわり方が必要だったのだ。ノマドとして生きていくためには、スキルそのものよりも「開かれていく」というスタンスのほうが重要となるのだ。
この「開かれ」ということについて、次回、深く掘り下げてみたい。
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