なぜ「ノマド批判」がなくならないのか? ノマド批判と「中島みゆき」

✎ 1 ✎ 2
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

外からの人を受け入れ、そのことで地域も変わる。お互いに変化し、合わせていく〈鍵と鍵穴の相互誘導合致〉の働きがここでも見られる。ノマドとして地域に入って行くとき、その地域のやり方にすべて染まる必要はない。むしろ、地域にも変化をもたらすようなかかわりが期待されている。高橋さんの場合、海の清掃などのボランティアというかかわり方だけでなく、ダイビング文化の普及という側面でも地域に関与している。ノマドが活躍するためのヒントがここにある。

ノマドに重要なのは「開かれていく」スタンス

ノマドの役割とは、地域や組織を外部に対して開いていくきっかけとなることである。アタリのいうハイパーノマドは、エリート集団を指していたが、石巻で起こっていることといえば、特別な能力があるから居場所ができるのではなく、つながりを生み出すから居場所ができるという点である。もちろん高橋さんにはダイビングというスキルはあった。

しかしそれだけでは高橋さんのビジネスの成功はおぼつかない。地域に対して開かれ、そして地域を外部へと開いていくかかわり方が必要だったのだ。ノマドとして生きていくためには、スキルそのものよりも「開かれていく」というスタンスのほうが重要となるのだ。

この「開かれ」ということについて、次回、深く掘り下げてみたい。

小山 龍介 ブルームコンセプト代表取締役

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

こやま りゅうすけ / Ryusuke Koyama

1975年福岡県生まれ。AB型。京都大学文学部哲学科美学美術史卒業。大手広告代理店勤務を経て、米国MBAを取得。その後、松竹株式会社 新規事業プロデューサーとして歌舞伎をテーマに新規事業を立ち上げた。2010年、株式会社ブルームコンセプトを設立し、現職。名古屋商科大学大学院 准教授(ビジネスモデル論)、(社)ビジネスモデルイノベーション協会 代表理事、(社)日本能楽謡隊協会 理事、ビジネスモデル学会 プリンシパル。宝生流シテ方能楽師の佐野登に師事し、2015年『土蜘』を演能。著書に『IDEA HACKS!』(東洋経済新報社)をはじめとするハックシリーズ、訳書に『ビジネスモデル・ジェネレーション』(翔泳社)等がある。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事