ただ、一般的にアルバイトはその雇用形態の性質上、どうしても他者に置き換え可能な単純作業が中心となってしまうという特徴はあります。そして転職市場における周りからもそういった評価をされがちです。したがって、一般的にはそこでの経験がその後に生きる可能性は低い、ということになるわけです。
「一般的に」と2回も書いたのは、多くのケースがそうである一方で、すべてそうかというと、そんなことはないからです。実際に私の友人知人でも、アルバイトや派遣社員から始めて正社員になったり、はたまた上場企業の幹部をしている人間も複数います。アルバイトとして採用された会社で頭角を現し、勤務先に請われて正社員になった、というケースが大半です。
このようなケースでは、雇用形態そのものはアルバイトという形ではあるものの、仕事内容は言われたことをこなすだけの機械的な作業の繰り返しではなく、自ら価値を創造するプロフェッショナル的仕事、という特徴があります。そしてその対象となる分野はプログラミング系、運送系、飲食系、事務系と非常に幅広いです。
正社員登用の制度や前例があるかどうか
アルバイトから正社員に登用されるには当然ながら、
1.仕事内容的に、個人としてどこでも通用するような経験やスキルがその仕事を通じて学ぶことができるか否か
2.アルバイトであったとしても実力次第で正社員に登用する制度やカルチャー(またはそういった前例)のある会社であるか否か
という2つの軸の見極めが大切であることは、言うまでもありません。
ちなみに偶然にも先月、日経新聞「私の履歴書」にて連載をされていらした吉野家ホールディングスの安部修仁会長も、同社のアルバイト出身であることを明かされておりましたね。
反対に、正社員のケースではどうでしょうか。
正社員というステータスのみでもって、その後、転職できるかというとそんなことはまったくありません。むしろアルバイトや派遣社員のように自身の今後のキャリアに対する健全な危機意識を持っていないケースが多く、「その後」の備えやいわゆる何かあったときの対処手段であるプランBの検討すらしたことがない、という人が非常に多いです。
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