大騒動!ハマ番長引退試合のチケット争奪戦 最長11時間待ちとなったハマスタの長い1日

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

シーズン中のチケットなら、ファンクラブ会員の発売時期は一般の購入者よりも早く設定されているが、今回はそれもなかった。会員にしてみれば、いったい何のためのファンクラブかと思うのも当然だろう。通常のペナントレース中は優先受付が可能なのに、今回実施しなかったのは、「システムの準備に2週間程度必要」(ベイスターズ広報)だからだ

今回、球場発売をチケットサイトやプレイガイドの発売時期よりも1日早い、中止当日にしたのは、この球場が球場発券チケットの払い戻しを中止当日からとしているからだ。払い戻しを中止翌日からとしている球場が多い中、ハマスタはマツダスタジアムと並んで、球場窓口での購入チケットに関しては、中止直後から払い戻しを始める。翌日からにすると、遠隔地の居住者は払い戻しで多大なハンデを負うことになるからだ。

オペレーションには改善の余地

しかもこの日は球場窓口販売以外の購入ルートについても、球場窓口での払い戻しに応じる措置を取った。結局、この払い戻しと振り替えゲームの購入が同時に出来るようにとの配慮が、最長11時間待ちという事態に至ったわけだが、観戦した日に次回観戦チケットを球場窓口で買っていく遠隔地在住のファンは一定割合いる。インターネット弱者への配慮という点で、球場窓口での前売り販売は今も重要な役割を担っている。

それでもどうにか改善の余地はないのかとも思う。12球団の本拠地及び準本拠地のうち、屋外球場はコボスタ宮城、QVCマリン、神宮、横浜スタジアム、甲子園、ほっともっと神戸、マツダスタジアムの合計7カ所ある。ドーム球場でも台風などで交通機関が止まりそうな場合は中止になる。

雨天中止は台風が発生しやすい8月~9月、ペナントレース終盤に起きやすい。順位争いに関係ないチームでも、引退選手のセレモニーがある最終戦は、ただでさえチケットはとりにくい。この時期のゲームはプラチナ化しやすいのだ。Webもしくは電話の自動受付などで、時間を区切って申し込みをさせるなど、短時間で振り替え希望者を把握するオペレーションが事前に構築されていれば、振り替えを希望しない座席の特定が可能になる。

近年は日程の遅れを嫌い、屋外球場ではかなりの降雨でもゲームを強行することが多くなったので、振り替えゲームはせいぜい年間3~4試合しか発生しない。それでも振り替えゲームがそのシーズンの中で、最もファンが見たいゲームになる確率は高いのだから、各球団には是非とも本気でこういったルール導入を検討してもらいたい。

伊藤 歩 金融ジャーナリスト

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

いとう・あゆみ / Ayumi Ito

1962年神奈川県生まれ。ノンバンク、外資系銀行、信用調査機関を経て独立。主要執筆分野は法律と会計だが、球団経営、興行の視点からプロ野球の記事も執筆。著書は『ドケチな広島、クレバーな日ハム、どこまでも特殊な巨人 球団経営がわかればプロ野球がわかる』(星海社新書)、『TOB阻止完全対策マニュアル』(ZAITEN Books)、『優良中古マンション 不都合な真実』(東洋経済新報社)『最新 弁護士業界大研究』(産学社)など。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事