もうひとつが、家庭に引いている固定回線のネットワークをやめ、iPhoneに通信を集約させてしまうケースだ。マンションか一戸建てか、住んでいるところで料金は変わってくるが、固定回線の料金はOCNで、東日本エリアの場合、3600円~6100円。これをやめ、iPhoneだけで通信するようにすれば、料金を大きく節約できる。
光回線は容量を気にせず通信できる半面、都市部では、プロバイダーによる速度の低下も目立っている。筆者の自宅もそうだが、マンションの場合、むしろLTEのほうが速度が出ることも。家にいる時間がそこまで長くなければ、20GBで十分足りてしまう。家族4人で光回線を使っているようなときも、各自が20GBのプランに契約すれば、容量は足りるはずだ。光回線経由でテレビを見ているなど、モバイルに回線を集約しづらいケースもあるが、ネットをよく使う程度であれば、3キャリアの20GBプランで大きな問題はないだろう。
同様の大容量プランは格安スマホと呼ばれるMVNOではあまり設定がない。イオンモバイルのように、20GB、30GB、40GB、50GBのプランがある会社も存在するが、同社の場合、20GBのプランは4980円。大手キャリアは総額で8000円になり、3020円ほどの差はあるが、iPhone 7、7 Plusは少ないドコモでも2150円、多いソフトバンクなら最大で2625円(ともに機種変更の場合)もの割引がつくため、その差はごくわずかで、あえてMVNOを選ぶメリットが少ない。また、通信速度も帯域が限られているMVNOより、大手キャリアのほうが安定して速い。データをたくさん使う人は、大容量プランを検討してみるのも手だ。
ただし、ドコモは2018年4月以降、auとソフトバンクは2017年5月以降、大容量プラン契約時にテザリングの料金が1000円追加でかかる。家庭の回線を集約することを考えている人は、追加の出費がかかることも念頭に置いておきたい。
2.MVNO+SIMフリー版で通信費を節約
一方で、毎月利用するデータ量がそこまで多くなければ、お得度はMVNOに軍配が上がる。3GBを切っているような人は、大手キャリアに無理にとどまっている必要はないだろう。たとえば、ドコモで2GBのプランを契約すると、料金は6500円から。これに対し、MVNOだとOCNモバイルONEの3GBコースで1800円だ。使える容量が多くなるうえに、料金は3分の1以下になるというわけだ。
もっとも、MVNOはiPhone 7、7 Plusを取り扱っていないため、端末は自分で購入する必要がある。Apple Storeで販売されているSIMフリー版を買わなければならず、その場合は大手キャリアのような割引もない。それでも、トータルでのコストはMVNOのほうが安くなる。先に挙げたドコモとOCNモバイルONEの例で、iPhone 7の32GB版を購入した場合を比較してみよう。
ドコモで2GBのプランに加入している場合、料金は6500円で、iPhoneの端末価格は7万6200円。24回払いにすると、1回当たりの支払は3175円になる。単純計算だと、毎月9675円かかるが、ここに「月々サポート」と呼ばれる割引が入り、毎月1750円が通信料から割り引かれる。差し引きでは、7925円だ。2年間使うことを考えると、総額で19万200円になる。
これに対して、iPhone 7の32GBは、SIMフリーで7万2800円。24回払いにすると割り切れないが、毎月の支払いは分割で買ったとしても3033円程度だ。SIMフリー版には毎月の割引がないため、ここにそのまま通信料が乗ってくる。先に挙げたOCNモバイルONEの場合、3GBプランは1800円。合計で4833円の料金がかかる。2年間の総額は11万5992円。ドコモより、7万円以上安くなる。
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