パリの男女の「性器周りケア」は、超先進的だ オープンに話せる土壌が、なぜ日本にない?

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そうした感性をなんとか日本にも持ち込み普及させたいと思い、化粧品輸入代理店や専門商社のいくつかを回ったことがあります。

プロポーザルに面談していただいた方々はほとんど50代前後の男性。わたくしも恥ずかしがってはいけないと、めげそうな心を励まして臨んだものの、どこも微妙な空気感です。「家内に訊いてみます」とか「後で社員に尋ねてみましょう」といったお答えばかりでした。女子社員には、いったいどんなふうに尋ねたのか……興味がありますが、セクハラにならなかったか懸念されます。

ともかく話が一向に進みません。ニーズがあるかどうか「女性社員さんから直接お伺いしたいのですが」と来ていただいても、内容が内容なこともあって、上司の前では俯いてモゴモゴ……が精いっぱいでした。

もともと無頓着という国民性ではないのに…

女性のために奉仕する化粧品業界といっても、まだまだ意思決定は男性が行っているという側面があるでしょう。『とと姉ちゃん』でクローズアップされた雑誌『暮しの手帖』の商品テスト。キッチン設備であっても、当時の日本では、台所に立って料理を作ったことのない男性技術屋が設計製造していたのですから、ユーザーの使い勝手なんてわかるはずもありません。

これは半世紀以上前の話ですが、ことUH&DZケア製品に関しては、まだまだそんな状態なのかもしれませんね。

DZのケアがそれほどの注意を払われない理由について、よく「女性からの声が上ってこないからだ」と言われることがあります。でも、江戸の庶民文化の文献に女性の性器回りのケアについて詳細な記述が記されているのです。もともと無頓着という国民性とは思えません。

婦人科医の友人に訊いても「臭い・黒ずみ・痒みなど、それなりに悩みは多いそうです。それなのにこれでいいの?と思いますけど。

フランスをはじめ欧米諸国、それだけでなく東アジア諸国だって、多くの女性が外へ出て働いています。スキンケアはもちろんですが、DZ&UHのケアも日常習慣であって然るべきでしょう。

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