米中の「2015年極秘計画」を知らない日本 インテリジェンスのプロ、原田武夫氏が大胆予測

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人民元国際化の「真の意味」

ここに来て中国は躍起になって「人民元の国際化」を進めて来ている。これも実は西側からの蓄財マネーに対する呼び込みにほかならないのである。その一方で、米欧は「中国はBRICS諸国の中でも経済成長率が抜群だ。その勢いに乗るには人民元建ての預金を持つべきだ」と大宣伝してきた。無論、最終的には中国を含む「共産圏」にマネーを収斂させるという「隠されたアジェンダ」(hidden agenda)があることを私たち日本人には教えずに、である。

これを「高貴なウソ」と言わずに何と言おうか。今や、中国経済の成長率が明らかに陰りを見せる中、そのことは誰の目にも明らかなのである。

私がこの「高貴なウソ」に気付き始めたのは、2008年のことだった。この年、英国王立国際問題研究所(チャタム・ハウス)と中国工商学院(ビジネス・スクール)が上海で2日間にわたるセミナーを実施した。その時、英国側がばら撒いていた分析ペーパーがある。「アジアにおける金融センターの将来 ロンドン・シティにとっての挑戦と機会」という報告書だ。我が国ではほとんど話題にされることのないペーパーであるが、現場で斜め読みをした私はそこに書かれている「結論」に目を奪われた。

なぜならば、世界屈指の金融拠点ロンドン・シティはそこで「アジアの金融拠点は北京・上海となる」と断言していたからである。無論、それらしい理由付けがいくつも書かれてはいる。しかしすでにタックス・ヘイヴンとしての地位を確立している香港とシンガポール、さらには東京ですら追い越して北京・上海が「アジアの金融拠点」になるなどとは、少なくとも私には信じられなかったのである。
その後、状況は明らかに劇的な形で変わりつつある。思いつくままに挙げてみるとこうなる:

◎昨年になると中国当局自身が「上海は2015年までに人民元の国際的な調達拠点となる」と断言し始めた。新たにビジネスを始めるならばまずは人財の確保ということで、金融メルトダウンで打ちひしがれた米欧の金融機関から続々と離脱した優秀な人財が上海に新天地を求め始めるようになって久しい。

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