米中の「2015年極秘計画」を知らない日本

インテリジェンスのプロ、原田武夫氏が大胆予測

米国VS中国

非常に簡単に言うならば、(1)まず中国以外の国々を包括的な経済連携協定でネットワーキングし、これに基づいて、いざとなればかの悪名高きISD条項で米国企業そのものが相手国政府(地方政府を含む)を徹底追及出来る仕組みを作り上げておく、(2)やがて仲間はずれにされた中国からは何れの国もモノを買わなくなり(「貿易の転換効果」)、これに気付いた中国が後から渋々この経済連携協定への加盟を要請してくる、(3)こうなったらばしめたものであり、米国はまず中国をこの“罠”としての経済連携協定(TPP+TAP)に受け入れ、後は違法コピー・ビジネスで莫大な利益を上げてきた中国企業を続々と法的に追及することで追いつめ、撃破して行く、というロードマップが見えてきている。

無論、中国側がこれに対して何もせずに手をこまねいて見ているというわけでは全くない。事実、例えば債務危機の続く欧州に対しては盛んにマネーを注ぎ込むことにより恩を売り、米国による甘い誘いに乗らないように努力している。しかし、いかんせん日欧の企業は米国企業と同じく、中国企業による「違法コピー・ビジネス」で莫大な損害を被ってきているのである。この揺るぎない事実がある以上、欧州のみならず、我が国が米国からの誘いに乗らないわけがないということなのである。

米国が「年次改革報告書」を突きつけなくなった裏側

この関連で一言付け加えておくならば、我が国では未だに「TPPは平成の黒船。これを結んだら我が国は米国によって完全に破壊される」といったTPP亡国論を声高に唱えている向きが多い。しかしこれは例えていうならば往年の大俳優が未だに「自分こそ映画の主役」と信じて止まないようなものなのであって、グローバル・マクロ(国際的な資金循環)の現実から言うと、全くもって笑止な内向き思考なのである。

無論、米国経済界は「農業」「医療」「保険」など、残された数少ない我が国の“構造”に対して牙を向いてくるはずだ。しかし悪名高き「年次改革報告書」を我が国に突きつけなくなった段階から米国のターゲットは中国に移ったと考えるべきなのである。

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