ランキングは、65指標それぞれの値を比較可能な数値(標準変化量)に置き換え、均等加重により合計した値で算出している。なお、2016年版のランキングは、2014年版からデータ更新可能な45指標を更新している。
次にランキングの結果について解説しよう。まず福井県が、2014年版から引き続き1位となった。東京都も前回に引き続き2位となり、富山県が3位となった。
なぜ福井県民がもっとも幸福なのか?
福井県は、仕事分野と教育分野が1位であり、生活分野の個人(家族)領域で2位であったことが、総合順位1位に大きく貢献している。特に、教育(入口)と雇用(出口)が両輪で安定していることが、県としての総合力の高さにつながっているものと考えられる。
東京都は、基本指標と文化分野で1位であることが強みである。文化分野は、余暇・娯楽領域、国際領域でともに1位であり、他を寄せ付けない水準を有している。富山県は、生活分野が1位で、教育分野が3位である。前回8位であった仕事分野が今回5位に上昇し、総合順位を前回の5位から上昇させた要因と考えられる。
全体的に、仕事分野で上位に位置する都道府県が、総合ランキングでも上位となる傾向を見てとることができる。
高知県、沖縄県、青森県がそれぞれ47位、46位、45位となっているが、いずれの県でも仕事分野と生活分野で苦戦している様子が分かる。しかしながら、個別指標を見れば強みがあり、例えば、沖縄県であれば「人口増加率」や「外国人宿泊者数」が1位と、他県がうらやむような結果も出ている。このことから、それぞれの地域の強みを地域の総合戦略とリンクさせていく視点が重要と考えられる。
現行指標ランキングは、2014年版に引き続き北陸3県の福井県、富山県、石川県がそれぞれ1位、2位、3位と上位を独占し、北陸3県は安定した日常を維持できる環境が整っていると言える。先行指標ランキングは、2014年版に引き続き東京都が1位となった。2位が島根県、3位には長野県が入った。