業界や会社という所属する箱という視点の切り口ではなく、ご自身が個人としてその業界でどのような仕事に従事できる可能性が高いのか、という基準で判断されるのがよいでしょう。
ご存じのとおり、同じ業界・会社でも職種によってその仕事内容は大きく異なります。ことサンダーバードさんのように、個人顧客の反応がダイレクトにわかる仕事という具体的な事項を最上位に据えるのであればなおさらです。
「個人顧客の反応をダイレクトに見たい」をよく考えると、①自分の手掛けた仕事の結果として、②個人のお客さんの反応を見たい、という2つの要素に分解できるものと思われます。おそらく上記の②の部分だけ見ると両社とも変わりはないのかもしれませんが、上記の①の視点を加味するとどうでしょうか。
サンダーバードさんも、何も自分が所属する会社が(より端的に言うと周りの同僚の誰かが)手掛けたことへのお客さんの反応を見たいということでは決してないでしょう。そこにはやはり①の要素である、サンダーバードさんご自身が「個人として目に見える貢献を果たした仕事」において、お客さんの反応が見たい、という隠れた要素が大きいはずです。
そう考えると、会社や業界における仕事の最終形である個人顧客への提供サービスや製品において、サンダーバードさんがどのような付加価値を個人として提供できる仕事に従事するか、そういった視点で直近から長期にわたる時間軸で検討する必要があるように思われます。
簡単な話ですが、たとえば同じ商業デベロッパーにおける仕事でも、設計なのか管理部門なのか、営業なのかによって、最終形でどのように貢献しているのかの個人が持つ感触は異なってくるでしょう。
どのような仕事で「貢献した」と思えるか
ですから、サンダーバードさんとしては、ご自身の仕事を通じてどの程度、フロントに立った感や貢献した感を感じ取ることができるか、ということが仕事を選ぶうえでも仕事をするうえでも重要なことなのです。そこには、業界や会社という、仕事を成し遂げるためのステージにすぎない箱の視点は、本来、存在しないはずです。
もちろん、議論のとっかかりや、ご自身の職業を考えるスタート地点としては業界で選ぶのもひとつの選択肢だと思います。しかしながら、私たちは一労働者として会社や業界に「就社」や「転社」するのではなく、就職や転職をするのです。ここでも視点は会社での舞台や箱ではなく、自身がやることとなる仕事です。
長い目で見ても、どちらの視点で考えるのがよりモチベーションが継続するのかを考えると、やはり業界や会社という視点ではなく、自分がダイレクトにやることとなる仕事に対しての誇りや、やりがいを感じられるか否かが大切です。
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