ひとつ年上の旦那は、当時21歳。地元や工場の仲間たちと競馬、麻雀、パチンコ、スロットにおぼれた。遊び盛りの18歳で父親になってまじめに頑張ったが、子どもと家族のためだけに生きるのは3年が限界だった。
「工場はローテーション。時間が空いたり、夜勤明けがあったり。ちょっとだけ眠って昼間からパチンコ、スロットに出掛けた。人とのおカネの貸し借りが始まって、結局、自分の持つおカネ以上を賭けるようになって、最終的には会社から前借りや消費者金融、私名義でも勝手に借りるみたいな状態になった。お給料も手取り30万円あったのが15万円くらいまで減って、それでもギャンブルやめなくて生活ができなくなった」
ケンカが絶えなくなって、旦那は酒を飲んで暴れるようになった。給与も少なくなって小遣いを渡せなくなり、旦那は借金でギャンブルをした。
「ケンカして暴れてを繰り返して、最終的にはDV。最後、大暴れされたときに骨を折られた。木更津駅の階段でボカスカ蹴られて、下まで転げ落ちた。私が転がって起き上がろうとしたとき、手をつかまれて指を折られた。手をつかまれて、そのままポキンと」
彼女の右手の人差し指は、現在も少し曲がっている。
「それが最終的に離婚したきっかけ。殺されると思った。後から信じられないくらい痛くなった。病院に行ったら関節が粉砕されて緊急手術だって。指も曲がらないし、握力もなくて、パソコンは打てないし、はし、鉛筆なんかも持てない。それが7年前。指はまだ、痛い。冬とか、寒い時期になると、ギンギンするから」
元旦那の借金返済のため、ダブルワーク
指を折られて、離婚を即決した。旦那を実家から追い出して、昼間はスーパーマーケット、夜はスナックのダブルワークをした。暴力におびえて暮らすより、自分が大変になってもシングルマザーとして生きるほうがマシだと思った。
「学歴がないので、昼間は最低賃金みたいな仕事しかないです。だからもう長時間働くしかない。スーパーは朝9時から夕方6時まで、それが終わったら夜7時半からスナック。帰りは2時とか3時。旦那が私名義の借金260万円くらいを残して、それを返さなきゃならなくて。ダブルワークしか手段がなかった。法テラスに相談したけど、結局、自己管理責任ということで全部払えってなったから」
朝から晩まで働いて、子どもは実家に預けっぱなし。朝から晩まで働いても20万円に届かない。生活費と260万円の借金を返すために働き続け、借金完済に3年半がかかった。
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