歌舞伎役者は、年を取ってもなぜモテる? 秘訣は、肌の「ハリ」と「ツヤ」

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もうひとつ若々しくみえるポイントはツヤ(艶)です。

「年をとることは水分を失うことだ」と言う人がいます。人生の中で最もみずみずしいのは赤ちゃんのとき。体内組成の80%が水分です。これが成人になると60%にまで落ち込み、晩年は50%を切ってしまいます。人は年を取ると水分を失い、徐々に乾燥していくのです。軒先に吊るした柿が乾燥するにしたがって、徐々にシワシワになってしおれていくのに似ています。

この加齢による脱水現象が如実に現れるのが、ほかでもない肌です。乾燥し、みずみずしさを失い、老けた印象を相手に与えてしまうのです。

歌舞伎役者は役作りで、1日に何度も化粧をしては落とします。このため、肌が乾燥しやすく、それに対する対策を怠りません。肌の状態が悪いと化粧が乗りづらいからです。また、舞台の外でも人様に注目されるので素肌も大事。だから、人一倍、肌のケアには気を使っているので、肌にツヤがあるのです。

「顔そり」のすごい効果

肌の老化に関する話題をもうひとつ。その前に質問です。予約困難なカリスマ美容師にできなくて、街角の床屋さんには当たり前にできる10年若返る技術とは何でしょうか?

答えは「顔そり」です。

おじさん世代の老け顔のもうひとつの要因が、「顔のくすみ」です。この顔のくすみが消えると、見た目がぱっと若返ります。具体的には、細かい産毛を除去して、皮膚のいちばん表面に蓄積した古い角質層をはぎ取ること。これはつまり、顔そりにほかなりません。金属の表面にできた細かいサビを、やすりで磨くと明るく輝くのに似ています。

この顔そりは法律上、美容師には行うことが許可されていません。また、私たちがヒゲそりで毎日使っている「T字型かみそり」はヒゲ専用なので、細かい産毛や古い角質層の処理には適していません。つまり顔そりは理容師の専売特許の技術ということです。

女性はこうした情報に敏感です。最近は「ブライダル・シェービング」といって、理容師資格をもった人が顔そりをするサービスが人気になっています。ブライダルとは文字どおり結婚式用ということ。彼女たちは人生でいちばんキレイになりたいハレの日に備えて、顔そりをするということです。

男性陣もこれを見逃す手はないでしょう。たかが顔そりと侮るなかれ、ということです。

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