キプロスの次、と噂されるスロベニア 景気・経済観測(欧州)

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2012年2月に発足したヤンシャ前首相が率いる中道右派の連立政権は、公務員給与や社会保障費の削減などの厳しい財政緊縮策、財政均衡化法(ゴールデン・ルール)の導入、非正規雇用の制限や失業手当の縮小などの労働市場改革、年金支給開始年齢の引き上げなど年金改革、銀行の不良債権買い取り機関(バッドバンク)の設立などに着手した。

だが、厳しい緊縮策と景気後退に国民の不満が高まり、労働組合が大規模な抗議行動を繰り返すなど猛反発を招いてきた。さらに、今年1月にはヤンシャ前首相の汚職疑惑も発覚し、主要政党の連立離脱が相次いだ。2月には内閣不信任決議が可決され、ヤンシャ前政権は総辞職に追い込まれた。

3月20日にはブラトゥシェク新首相が率いる中道左派の連立政権が発足した。新政権は緊縮策の見直しを模索しつつ、景気回復と銀行再生を目指すが、国際社会からの信頼を回復し、救済を回避できるか、難しい舵取りを迫られている。

6月の国債償還が次の山

スロベニア政府は昨年10月に22.5億ドル(約17.3億ユーロ)の10年物ドル建て国債の発行に成功した以降は、短期証券の発行でどうにか食いつないでいる。政府関係者は9月頃までは政府の資金繰りが行き詰まることはないと発言しているが、年内に30億ユーロ相当の財政資金を調達する必要がある。

救済観測が高まるなか、海外勢の間ではスロベニア国債の購入を手控える動きも広がっている。また、不良債権の増加で大手銀行が揃って経営難に陥っており、国内勢の国債購入余力も低下している可能性がある。

4月9日に実施した6カ月物と12カ月物の政府証券の入札では、両者合わせて1億ユーロの調達目標に対し、発行総額は5606万ユーロにとどまった。17日の18カ月物政府証券の入札では、5億ユーロの調達目標を上回る11億ユーロの応札需要を集めることに成功したが、5月・6月も複数の入札を控えており、今後も十分な需要を集めることが出来るかは予断を許さない。

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