キプロスの次、と噂されるスロベニア 景気・経済観測(欧州)

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次の山となりそうなのが、6月の国債償還だ。スロベニア政府は6月6日に9.1億ユーロの18カ月物政府証券の償還を、6月13日に2.1億ユーロの12カ月物証券の償還を控えている(図表3)。このまま市場での債券発行に窮すれば、ユーロ圏で6番目の支援要請国となる可能性が高まる。

なお、6月初旬の国債償還に間に合うタイミングで支援融資を受け取るためには、5月中旬頃までにユーロ圏の財務相レベルで支援の基本合意をまとめる必要がある。ここから逆算すると、4月後半から5月上旬にかけて、市場参加者の間でスロベニアの資金繰りを巡る不安が高まる恐れがある。

スロベニアはキプロス同様にユーロ圏の小国だ。だが、国債の償還費用を賄えずに債務不履行(デフォルト)のリスクが高まったり、財政支援が受けられずにユーロ離脱が意識されれば、市場の動揺は避けられない。小国だからと言って、スロベニアの危機を侮れば、足許をすくわれることになりかねない。

田中 理 第一生命経済研究所 首席エコノミスト

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たなか おさむ / Osamu Tanaka

慶応義塾大学卒。青山学院大学修士(経済学)、米バージニア大学修士(経済学・統計学)。日本総合研究所、日本経済研究センター、モルガン・スタンレー・ディーン・ウィッター証券(現モルガン・スタンレーMUFG証券)にて日、米、欧の経済分析を担当。2009年11月から第一生命経済研究所にて主に欧州経済を担当。

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