優秀なあの人が、敵ばかり作ってしまう理由 自分がいかに正しくても他人は聞き入れない

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七條千恵美(しちじょう ちえみ)/同志社大学卒業後、国内の大手航空会社に入社。お客様から多くの賞賛をいただいた客室乗務員に贈られるDream Skyward賞を受賞。 さらには、その中でも際立った影響力を持つとしてDream Skyward優秀賞を受賞。皇室チャーターフライトの選抜メンバーにも抜擢される。 2010年より、客室教育訓練室サービス教官として、1000人以上の訓練生の指導にも従事。会社評価は最上級のS評価を受けるなど、CAとしても教官としても数々の実績を残す。 現在は株式会社GLITTER STAGEの代表取締役として、企業研修や人材育成など、さまざまなビジネスシーンで、強い牽引力と高いスキルを存分に発揮しながら活躍中。

私は仕事に対して「よくも悪くも情熱的であったな」と、我が身を振り返ることが多いです。それが「よい面」として出たときは、「アナタがいたから乗り越えられた」「アナタのような人材が必要だ」という言葉を上司からもらいました。

しかし、一方でチームのバランス上、もう少しバランスを考えた方がいい場面であっても当時の私はそれに気づくことができず、注意を受けることもありました。その時の私はゴールを見据えることはできていたと自負していますが、「横」を見ることが不得手だったのです。

そんなとき、ある先輩からこんなことを言われました。

「アナタの言っていることは正しい。けれども、正しいことを言うときほど、言葉は慎重に。10のうち、相手が1か2でも聞いてくれたら万々歳なのよ。私も七條さんと同じ想いだからよくわかる。けれども、自分の意見を聞いてもらうには、それなりの準備が必要なのよ」

とても尊敬していた先輩からの、私への愛あるアドバイスでした。私などよりも優秀で、実績もある先輩でも、これぐらいの考えを持って発言、提案をしているのだと驚きました。どんどん前に進みたいという気持ちが先行し、荒削りの発言を繰り返していた自分を恥ずかしく思ったものです……。

そうした気持ちが半分、しかし心のどこかで「ゴールがすべて」という自分を捨て切れなかったのも、正直な自分の気持ちです。

人の振り見て我が振り直せ

ところがある日、私は、私以上に仕事に情熱的で、そして私以上に荒削りな発言を繰り返す人に出会うことになるのです。

その人の想いに深く共感しつつも、全面的に応援できない自分がいました。いや、正確に言うと、孤軍奮闘しているその人を自分と重ね合わせ、何とかしたいという気持ちで応援はしたのです。

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