もうひとつ金銭感覚によってバレるのは、あなたが「おカネを稼ぐためのビジネスパートナーとして、信頼できるかどうか」ということだ。
敵にしたら厄介だが、味方にしたら頼もしい
【3】ビジネスで「おカネを稼げる人かどうか」が出る
私が別名「ミセス・合い見積もり」と呼んでいた女性のボスは、古今東西、すべてのものに合い見積もりを求めていた。
どれほど年収が上がろうと、ホテル一室の10ドルの差にこだわり、飛行機のルートを多少変えて不便な時間帯になっても、フライトの値段を500ドル下げることに粉骨砕身、全力を注いでいた。
私があきれたのは、高級レストランで食事しているにもかかわらず、支払い時に一つひとつ明細を確認しては間違ってマンゴープリンを多めに払っていないかと厳重にチェックしたり、スープが遅かったからといって支配人を呼んで、その一品を無料にしようとしたのだ。
「あなた大金持ちなんだから、マンゴープリンやスープくらい、ええやないか……」とも内心思ったが、こういう人ほど、投資でもビジネスでもバンバン稼ぐものなのである。
なぜ、大富豪である彼ら彼女らが、それほどまでにささいなおカネにこだわるのか。それはお客さんである取引先や投資家へのメッセージでもあるのだ。
みなさんもよく考えてみてほしい。もし自分のおカネを預けて投資してもらうなら、やたらとカネ遣いが荒く、おカネにルーズな人に、みなさんは大事なおカネを預けたいと思うだろうか。むしろ、多少、というか多大に、おカネにがめつい人に任せたくはないだろうか。
これは、交渉のタフさでも同じだ。いい人で人当りがよく、こちらの要望をどんどん聞いてくれる人は、「敵」として接する分には最高だが、「味方」の立場になると、「誰に対しても譲歩しすぎるのでは?」と心配になってしまう。
「敵にしたら厄介だが、味方にしたら頼もしい」と思われるからこそ、人望も資金も集まるのだ。「この人はカネを無駄にしない」という信頼感が、ビジネスを大きくしていくのである。
実際、おカネに細かい一流の人のもとには、投資家から潤沢な資金が集まる。そして、その期待に応えるよう、投資でしっかり利益を出しつつ、余分なコストをビシビシ絞っておカネを稼いでいくのだ。
プライベートで一緒に時間を過ごすにはホトホト疲れる。しかし、仕事を任せるなら、ささいなコストもゴリゴリ削って、会社の経費を絶対に無駄にしないプロフェッショナルに、おカネも人脈も信頼も集まりやすいのである。
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