世界最速のディーゼルSUVに乗ってみた! BMW「アルピナ XD3 ビターボ」の実力

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BMWの車両をベースに独自のチューニングを施し、一般道からサーキットまで性能と実用性の絶妙なバランスをもって、ドライバーを楽しませてくれるアルピナ。これまでセダンやクーペに関しては多くのモデルをラインナップしてきたが、今回初のSUVを開発。本国から来日したレーシングドライバー、ダニエラ・シュミート氏のドライビングとともに世界最速のディーゼルSUV、BMW アルピナ XD3 ビターボの実力を探った。

アルピナ・マジックは、SUVにもかかるか

当記事は「GQ JAPAN」(コンデナスト・ジャパン)の提供記事です

BMW アルピナにとって日本は、母国であるドイツに次ぐ大マーケット。日本人のアルピナ愛は、世界でも特別に熱いものとして知られている。そんな日本のアルピナ・ファン、あるいは自動車メディアの間では、今や常套句と化した感もある「アルピナ・マジック」という言葉。それは、現代のBMW アルピナに施されたシャシーチューニングの妙を形容したものである。

街乗りや高速ツーリングでは、高級サルーンを思わせるスムーズで快適な乗り心地を誇りつつ、ひとたびワインディングロードに乗り入れたならば、同門の従姉妹とも言うべきBMW Mにも肉薄するほどに痛快なハンドリングを見せつける。この相反する命題をサラリとやってのけるアルピナのマイスターたちの技術力を称賛して「マジック」と表現されてきたのだ。

しかし、いくら「アルピナ・マジック」といえども、BMW アルピナが史上初めて手掛けたSUV「XD3 ビターボ」をサーキットで同乗テストするというオファーを受けた時には、正直なところ当惑の想いを禁じえなかった。

世界に名だたる高性能車といえども、あくまでジェントルな気質のBMW アルピナ。しかもディーゼルエンジンを搭載したSUVが、タイトコーナーと高速コーナーが連続するタフなコース「筑波サーキット/コース2000」を舞台に最高のパフォーマンスを発揮できるとは、なかなか思えなかったのだ。

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