世界最速のディーゼルSUVに乗ってみた! BMW「アルピナ XD3 ビターボ」の実力

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それでも、この日ステアリングを握った女性レーシングドライバー、ダニエラ・シュミート氏は、ニュルブルクリンク24時間レースで表彰台に上った経験もある腕利きにして、BMW アルピナ B6-GT3のテストドライブも行った経験のある人物と聞いて、いささかの期待感が浮かび上がったのも事実。

BMWとBMW アルピナを知り尽くしたレーシングドライバーであれば、公道でのテストドライブ以上にXD3ビターボの真価に触れられるかもしれない?と考えつつ、筑波サーキットに赴くことになったのである。

BMW ALPINA XD3 BITURBO All-Wheel-Drive

ハードな乗り心地を覚悟していたけれど

当たり前のことかもしれないが、ダニエラ・シュミート選手の操縦するXD3 ビターボのパッセンジャーシートに乗り込む以前から、私はこのクルマの動力性能には何らの疑問も抱いていなかった。最高出力350ps、ディーゼルながらリッター当たり117ps以上に達する大パワーもさることながら、最大700Nmにも及ぶ恐るべきトルクが、しかも1500rpmあたりから立ち上がるのだから、たとえ車両重量が1.9トンを大きく超えようが、速いのは当然のことだろう。

しかしながら、ピットレーン出口からフル加速して第1コーナーに飛び込んだ瞬間から、早くもサプライズが待ち受けていた。曲率の大きな高速コーナーはもちろん、ヘアピンのようにタイトなコーナーでも、この種のSUVをサーキットで走らせる際について回るアンダーステアは最小限。必要以上にスプリングを固めていないので、たしかにロールは発生するものの、ショックアブソーバーやスタビライザーの巧みな調律によって最小限に抑えられている。

とはいえ、近年のスーパーSUVたちの間では、サーキットでもスポーツカー並みに走ることができるほどのパフォーマンスを得ているものは珍しくない。しかし、その代償として多くのモデルがかなりハードな乗り心地を示すことになったことも指摘されている。

その上、SUVの特質ゆえに着座位置も高いため、特に助手席や後席の住人はコーナーリング中や不正な路面の通過時に頭部を大きく揺さぶられることもありがち。しかしXD3 ビターボでは、そのような不快なフィーリングは限りなく抑えられ、少しばかり舗装の荒れた路面でも実に快適な乗り心地を保ち続けるのだ。

シュミート選手は、そんなBMW アルピナ XD3 ビターボを「コンフォートなサルーンと高性能スポーツカーの二面性を持つSUV」と評した。そしてその走りの本質として、体感的な軽さを挙げてくれた。

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